【前回コラム】「企業は、いつから非難と戦う時代になったのか? — 日清のCM問題から見えてくること」はこちら
2月半ば、広報という仕事が珍しく大々的に注目を浴びた。
東芝が転職情報サイト「DODA」で広報職の契約社員を募集したのである。
しかも「メディアコントロールができる人材」というめずらしい募集だ。
この募集によって東芝の焦りの一端が分かる。
というか、人事部はどうしてこの時期に募集したのだろうか?
想像だが、取材が殺到していて人が足らないのかもしれない。
今の人材が辞めてしまうので人手が足らないのかもしれない。
もしかすると東芝の人事部は、広報という仕事を軽んじているのかもしれないとも思う。
メディアコントロールできる人材を、通常の募集で集められるというのがそもそもの間違いだ。万が一、そんな人材が採用できたらそれは東芝の人事部の力だと言えよう。
そのような特殊な能力をもった人材は通常の求人市場にいない。
そのような逸材は、ヘッドハンターに頼んで探すのが通常だ。
でも、募集しているのは契約社員なので非常に難しいだろう。まあ飛び抜けてギャランティが高いならあり得るとは思うが。
とはいえ、僕の知っている限り、今の東芝に雇われてメディアコントロールできるほどの人材が浮かばない。この業界に20年近くいるが、適切な人材が浮かばない。
