毎年6月下旬にフランスで行われる「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル(Cannes Lions International Festival of Creativity、通称:カンヌライオンズ)」を目指す動きが、早くもスタートした。現地カンヌで行われる、30歳以下を対象とした、ヤングライオンズコンペティション(通称:ヤングカンヌ)の日本代表を決める戦いだ。今年も、フィルム、プリント、メディア、サイバー、デザイン、そしてPRの全6部門が開催される。
2月27日からは、PR部門の日本代表選考のためのエントリーが始まったが(3月10日まで)、若手PRパーソンにとって、カンヌライオンズやヤングカンヌは、一体どのような意味を持つのだろう。昨年、カンヌライオンズ本戦のPR部門日本審査員を務めた、橋田和明さん(博報堂ケトル)に聞いた。
2月27日からは、PR部門の日本代表選考のためのエントリーが始まったが(3月10日まで)、若手PRパーソンにとって、カンヌライオンズやヤングカンヌは、一体どのような意味を持つのだろう。昨年、カンヌライオンズ本戦のPR部門日本審査員を務めた、橋田和明さん(博報堂ケトル)に聞いた。
博報堂ケトルのクリエイティブディレクター、橋田和明さん。
異常に嫉妬した、25歳、初めてのカンヌ
—橋田さんは2016年、カンヌライオンズ本戦のPR部門の日本審査員を務めました。おそらくその前にもカンヌには参加していると思いますが、初めて現地に行ったのはいつですか?
僕が初めてカンヌライオンズに行ったのは、入社4年目の2005年です。どうしても行ってみたくて、自費で参加しました。若手の登竜門であるヤングカンヌは、すでに始まっていたのですが、ポスター部門だけだったんです。だから、当時ストラテジックプランナーという肩書だった自分には当てはまらない気がしていて、参加は考えてもいなかった。でも、そんなこと気にせずに挑戦してみればよかったです。今はPR部門も含めて、たくさん部門があって正直うらやましいですよね。ヤングカンヌの参加資格は30歳以下なのでもう参加できませんが、今、自分に資格があれば絶対にチャレンジすると思います。
—初めて訪れた時の印象をまだ覚えていますか?
初カンヌの体験が、僕にとってすごく強い“スイッチ”になったので、今でもよく覚えています。
現地には、フィルム部門にエントリーされた全作品(つまりCM)をひたすら流している部屋があるのですが、そこで一日中、作品を浴びるように見ていました。他にも見ている人がたくさんいて、作品ごとにブーイングが起きたり、拍手が起きたりするんです。世界中の人のリアルタイムな反応を横で見ながらクリエイティブのシャワーを浴びるっていうのが、カンヌの一つの醍醐味だと思います。