「世界で勝ちたい」そう認識すると、人は強くなる
—「3つのty」は、全部門にも共通した秘訣とも言えそうです。あえて、PR部門で勝つ、ということを目標にした場合、注意すべき点はあるのでしょうか。
カンヌ本戦のPR部門は、世界のPRエージェンシーのトップが集まって審査をしているので、ペイドメディアの活用についてはとても厳しいです。全部門でPRの視点が欠かせなくなっているだけに、PR部門らしい受賞作を選ぶには、アイデアがPR的かということはもちろんですが、ペイドよりも、いかにアーンドをうまく生み出し(パブリシティ・ソーシャルバズを広げ)、活用したか、という視点が重視されたように思います。ペイドメディアはPRの本懐ではない、という考え方なんです。ですから、アイデアだけで評価していたら、他の部門と同じような作品の受賞が多くなっていたと思いますが、ペイドメディアにNOを出したおかげで、2016年のPR部門は、PRらしいオリジナルな結果になりました。
ヤングカンヌは、キャンペーンの結果は評価できないので、与えられた課題に対するアイデアの勝負になると思いますが、いかに自然発生的に広がるかを予期しているか、予期できるか、という視点は重要だと思います。
—ヤングカンヌPR部門 日本代表に期待することは何ですか?
日本代表になった人には、、、「勝ってください!」の一言ですかね(笑)。
世界で勝ちたいと思っている人、もしくは一度でも思ったことがある人と、思ったことがない人との間には、ものすごく差があると思います。まずは、ヤングカンヌをその入り口にしてほしいです。ヤングカンヌの場に立つということは、世界戦の予選に立ったということなので、その日本予選に参加するということは、世界戦への第一歩を踏み出したということです。参加動機はどんなことでもかまいません。カンヌに行けるかもしれない、という単純な理由でもいいと思います。でも日本予選に参加するということは、「世界への一歩を踏み出すことを、自分で決めた」ということなんです。バッターボックスに立った時点から、人は強くなる気がします。
(聞き手:伊澤佑美)
■ヤングカンヌPR部門日本代表選考概要
ヤングライオンズコンペティション(通称:ヤングカンヌ)とは、カンヌライオンズで行われる30歳以下のプロフェッショナルを対象とした、コンペ形式のオフィシャルプログラム。各国の代表2人1チームが参加し、現地で与えられた課題に対し、定められた時間内に作成した映像や企画書の提出、またはプレゼンテーションにより、GOLD、SILVER、BRONZEを決定する。
ヤングカンヌPR部門に出場する日本代表ペアは、一次選考および二次選考(英語でのプレゼンテーション)を経て選出される。
エントリー締切:3月10日(金)
課題発表:3月11日(土)13:00
作品提出:3月12日(日)20:00
二次選考:4月16日(日)都内予定 ※英語でのプレゼンテーションと質疑応答
最終結果発表:4月下旬
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■橋田和明さんプロフィール
1980年東京都生まれ。2002年博報堂入社。2006年博報堂ケトル設立とともに同社に。マーケティング出身のクリエイティブディレクター。得意領域は、戦略とインタラクティブ、そしてPR。得意先課題から社会課題まで、あらゆる課題に、あらゆる手口を使って解決を目指す。12のカンヌライオンズ、4つのアドフェストグランプリを含め、国内外で多数の賞を受賞。2015年の東京ADC賞、クリエイター・オブ・ザ・イヤー・メダリスト受賞。SPIKES ASIA 2015のPROMO&DIRECT審査員、Cannes Lions 2016 PR LIONS審査員
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