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コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

選手が試合に負けたことには怒らない。でも、「負け方」には怒っていた(ゲスト:篠原信一さん)【後編】

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試合前のルーティーンは歌でも瞑想でもなく・・・

篠原:基本的に自分は一本勝ちが多いんです。だから、篠原は外国人選手でも奥襟をガッと持って投げるイメージがあると思うんですけど、実際に試合をすると、外国人選手は私と同じか、私より大きくて重い選手がたくさんいたので、いざ試合をすると、「あ、やばい」と思うことが何回もありました。自分が奥襟を持って胸張ってるイメージがあるかもしれませんが、外国に行くと、自分が奥襟を持たれて、頭が下がってますから。

中村:実はイメージとは違っていたと。

篠原:それでやばい、どうしようと思いながら、下がりながらハーッとかけた技がバーンと飛んでいって一本というのがたくさんあります。やばいやばいと下がって、無理矢理かけた技がたまたまかかって一本となったときには、投げて当たり前やという感じで胸を張って戻ってきて、宣告を受けますけど。そんなのはしょっちゅうですよ。

澤本:そんなにしょっちゅうなんですか?

篠原:私の場合はしょっちゅうでしたね。苦し紛れの足払いをかけたら、それが一本で決まったとかね。

澤本:それは練習で慣れてるからすぐに出ると。

篠原:練習でやったことを体が覚えてるんでしょうけど、気持ち的にはやばい、やばい、負けそう、どうしよう、かけようとかけて。

澤本:本当ですか?

篠原:本当の話です。もちろん、投げてやろうとしてる選手もいると思いますよ。私の場合はそういう場面が多かったですね。

澤本:僕らの記憶で言うと、そういう選手じゃなかったですね。ずっと勝ち誇っていて。

篠原:だから、そういう風に見せないのがエンターテイナーじゃないですけど(笑)、観客がすごいと勝手に思ってるだけなので。やってる本人は「危なかった」と。あれが技ありだったら、逆転されてたぐらいの試合も中にはありますよ。

中村:というわけで、名残惜しいですが、あっという間にお別れの時間が近づいてきております。今後の予定ですが、去年10月からはじまっているのが前園さんとのラジオ番組「篠園音楽堂」。音楽は好きなんですか?

篠原:音楽はその時代、その時代で聞いていたと思うんですよ。思い出があったり、音楽を聞きながらスポーツや勉強を頑張れたり。人それぞれあるじゃないですか。そういったものをリスナーのみなさんから応募したり、僕はこんな歌を聞きながら柔道を頑張った、前園であればサッカーを頑張れたということを話しながら。

澤本:ちなみに篠原さんはどんな歌が?

篠原:私は何でもオールマイティに聞きますね。アップテンポなものから、静かな寂しい歌も聞きますし。

澤本:試合に行く前にこういうのを聞いたというのは?

篠原:試合の当日に歌を聞く選手もいるじゃないですか。井上康生は歌を聞きながら、イスに座って、目をつぶっていました。野村の場合は、歌は聞かないんですけど、毎回試合が終わると、寝転がって顔にタオルをかけて、1人でじっとしてました。私の場合は、歌も聞きません、寝たりもしません。ひたすら雑談してます。

一同:(笑)

篠原:なぜかというと、歌を聞いたり、目をつぶったりすると、結局、試合のことを考えるでしょ。イメージトレーニングをしてるのかもしれませんけど、余計緊張するんですよ。それよりも雑談です。付き人と一緒に「今日試合終わったら何食べに行く」「食べに行った後、どこに飲みに行く」「そういえばアソコの女の子呼んでおけよ。電話しとけ」など、そんな話をして。3試合前ぐらいになると呼ばれるので、道着を着て、帯をギュッと〆て、そこからは集中しますけど。そういう意味では試合当日は歌を聞かなったですね。

中村:歌と音楽はなくて、雑談と。そんな篠原さんの音楽番組(笑)。

篠原:ただ、練習行く前は聞いてましたよ。当時はTRFやglobeのKEIKOさんを聞いてました。あと、最後に5月19日公開の湯浅政明監督、完全オリジナルのアニメ映画『夜明けを告げるルーの歌』で私は声優で出てますので、それも含めて見てもらえたらなと。

澤本:映画では何役なんですか?

篠原:主人公の父親役です。子ども4人いますから、娘を思う父親というところを見てもらいたいですね。本当の篠原信一の姿が見れると思います。

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