3. 選挙後の余波(POST-ELECTION AFTERMATH)
<要点>※SXSW公式サイト 本文引用
「大きな物議を醸した2016年大統領選挙以降、新たな政治体制が明るみに出てきており、それに伴って古い政治体制との間に新たな課題が生じている。嘘のニュースや代替的事実が一連のスキャンダルや分裂社会を覆い隠し、政策が孤立主義にますます傾くことで、マイノリティは急速に社会から隔離されつつある。このような社会現象は、社会の発展やテクノロジー、そしてクリエイティブ産業にどのような影響を及ぼすのだろうか。またこの不確実な未来においてどんな道が残されているのだろうか?」
Hugh Forrest氏によると、2017年度のプログラムのほとんどは、2016年11月8日のアメリカ大統領選挙の投票結果がわかる前に確定していたという。「Journalism」のトラックについてだけは、結果発表後にプラスしたとのことだが、その中には、「Our Bright, Jobless Future: Trump Policy vs AI(私たちの明るく、そして仕事のない未来:トランプ政策 VS AI)」や、昨年のSpeaker of the Eventに選ばれたBaratunde Thurston氏による「Head Fakes and Pivots: Trump Punks Silicon Valley(フェイントとピボット:シリコンバレーを荒らすトランプ)」などが含まれる。
「SXSW Interactive Innovation Award」のInteractive Hall of Fameには、テクノロジー・ジャーナリストのKara Swisher氏が選出され、SXSWとしての意思を感じる。彼女がモデレーターを務めた「Kara Swisher in Conversation with Crooked Media Founders(カーラ・スウィッシャーとCrooked Mediaのファウンダーたちとのトークセッション)」は、大きな注目を集めており、その一部を紹介したい。
Crooked Mediaは2016年の大統領選後、トランプが勝ったことで本腰を入れて創業した企業である。以前は政治分析を軸にしたポッドキャスト事業を行っていたが、現在は政治に関するオンラインポッドキャストや映像をはじめとするメディア事業にまで拡張している。
創業のきっかけは現代のメディアに対する問題意識である。今日、新聞やテレビなどの大衆メディアは、権威主義に支配されていて、コンテンツの信頼性やその伝え方に多くの問題を抱えている。またネットでも情報過多となり何が本質的な情報なのか知ることが困難になっている。そうした持続性のない状況に不満を抱く多くの人々に、政治に対する生の声だけを拾う場を提供するため、Crooked Mediaは存在し事業を行っている。
<後編につづく>
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