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モバイル部門グランプリ!「THE FAMILY WAY」企画の背景とは — カンヌライオンズ2017レポート

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「夫婦間の関係性の変化」にフォーカス

とはいえ、日本の事情を世界各国から集まる審査員たちにうまく伝えるのは至難の業だ。往々にしてこのような世界的アワードでは、伝えたいことがうまく伝わらないまま、受賞を逃してしまうことも多々ある。その壁を超えるためにどんな工夫があったのか。同キャンペーンのクリエーティブ責任者を務めた電通ヤング・アンド・ルビカムのコミュニケーションプランナー/クリエーティブディレクターである布施優樹氏は、エントリーに際しての留意点についてこう語る。

「コミュニケーションゴールは、Seemをきっかけにして男性が早い段階で病院に行くことで、これまでの女性主体の妊活や不妊治療に変化をもたらすことです。こうした目に見える影響に加え、ケースムービーでは、Seem使用経験の有無にかかわらず、それまで女性任せだった男性の意識が変わり、主体的にアクションを起こしていくという『夫婦間の関係性の変化』にフォーカスを当てました。タイトルにも製品名を入れずに『THE FAMILY WAY』としました。今年のカンヌが打ち出している傾向の1つに、『ジェンダー・イコーリティ』という考えがありますが、それにも合致できたのだと思います」

左)リクルートコミュニケーションズ インテグレーテッド・デザイン・オフィス アートディレクター 大田哲也氏
中)リクルートコミュニケーションズ 萩原幸也氏
右)電通ヤング・アンド・ルビカム 布施優樹氏

PRで社会の既成概念を覆す

一方で革新的な製品であればあるほど、時に社会の理解や共感を得るのに苦労する。しかし、ここでは社会の意識変化、態度変容を目的としたPR活動が効果を発揮しているという。

電通パブリックリレーションズのチーフPRプランナーの井口理氏は、「スタートアップ含めて社会にイノベーティブな製品を提供するには、まずその製品が生活者にどのようなベネフィットを提供できるのかを理解してもらうことが大切です。そこでPR活動が効果を発揮します。社会の既成概念を覆し、意識変化・態度変容へつなげていく。そういったPRの視点をクライアント、クリエーティブが初期段階からうまく組み込んでいく意識を持っていたことが成功にも寄与したはずです」と語る。

これら取り組みにより現在も引き続き、医療関係者からの理解や、居住者に対して妊活サポートを打ち出している自治体からの引き合いも生まれてきている。今後は国内でのさらなる展開と実績作りのみならず、さらに世界的な展開を見据えているとのことだが、このグローバルなインフルエンサーが集うカンヌライオンズでの受賞が拍車を掛けることは間違いないだろう。

(編集協力:電通パブリックリレーションズ 井口理氏)

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