「カスタマーサポートとマーケティングの連携が鍵」Zendesk CEOミッケル・スヴェーン氏

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米国サンフランシスコに拠点を持ち、世界中で10万社を超える企業が使用しているクラウド型ヘルプデスクソフトウェア「Zendesk」。その創業者であり、CEOであるミッケル・スヴェーン氏に、カスタマーサポートとマーケティングをどのように連携するべきか、話を聞いた。

—顧客にとって魅力的なブランド体験を提供するために、カスタマーサポートに関心を持つ日本企業が増えている。カスタマーサポートの重要性を、どのように捉えているのか?

Zendesk CEO ・創業者 ミッケル・スヴェーン氏
2007年8月から最高経営責任者(CEO)と取締役を務め、2014年1月に取締役会議長に任命。Morten Primdahl(モーテン・プリムダール)と Alexander Aghassipour(アレクサンダー・アガッシポア)と共に、2007 年 8 月にデンマーク コペンハーゲンでZendeskを立ち上げた。同社 CEOとして、Zendeskのグローバルオペレーションとビジネス戦略を牽引している。

大事なポイントが、3点ある。1つ目は「顧客のロイヤリティ向上」に役立つことだ。カスタマーサポートの質を高めることで、一度取引した顧客と再度取引することができる。

2つ目が、クチコミなどの「エバンジェリズム」になる。従来のチャネルだけでは、新規顧客の獲得が難しくなっている。既存顧客にエバンジェリストになってもらえれば、効率的に顧客を獲得できる。

3つ目が「信頼」になる。最近の消費者は、企業を「信じていない」という傾向がある。ある調査では顧客の6割が企業のWebフォームに不正確な情報を記入したことがある、と回答している。信頼関係が構築できれば、企業と顧客との間で摩擦が生まれない。

—ロイヤリティ向上やアップセルを促していくことは、通常はマーケティング部門が担っている領域です。

たしかに多くの企業は、カスタマーサポート部門、セールス部門、マーケティング部門と分断されている。しかし消費者は企業の組織構造について関心がない上、同じ部門・担当者と一貫してつながりを持ちたいと考えている。最近、我々が取引するスタートアップ企業では、製品開発部門やマーケティング部門の中に、カスタマーサポート部門が組み込まれている。

—カスタマーサポートとマーケティングは、どう連携できるのか?

まさに多くの企業が、その視点を忘れがちだと思う。カスタマーサポート部門は、お客さまと常にコミュニケーションをとっており、顧客情報を大量に保有している。したがって顧客の質問や要望を分析することで、企業が抱えている問題の解決につなげることができる。よく言われるが、問い合わせの裏には同じ課題を抱えている人が、少なくとも10人はいる。

—今の話は、日本だけでなくグローバルで見られる課題なのか?

間違いなく、そうだ。重要なのは、カスタマーサポートを戦略的に捉えることだ。一つの部署としてではなく、より広いかたちで、繊維のように企業内に織り込まれる存在であるべきだろう。

—日本ではカスタマーサポート部門の人材採用が難しく、サービスのクオリティを維持することが課題と聞く。

そういう問題が存在するのであれば、給与を上げるべきだと思う。カスタマーサポート部門の人材は安価で働いてくれると思いがちだが、毎日自分たちの顧客と話をしている人たちであり、おかしな話だ。

一方で、カスタマーサポートの質を高めるためには、人員数を増やせば解決するという問題ではない。実際に消費者が喜んで、自ら電話やEメールで連絡したいのかを考えるべき。一番良いのは、顧客自身で問題を解決できることだ。そこで我々は、カスタマーサポートを自動化する技術にも投資をしている。より良い顧客体験の提供につなげていきたい。

—メッセージアプリを通じて、商品を注文できたり、宅配便の再配達を依頼できたりするなど、企業と顧客の新しい関係が生まれている。こうした動向について、どのように考えているのか?

企業が若年層にコミュニケーションしていく上で必須だろう。電話もEメールもしないかわりに、LINEやFacebookメッセンジャー、iMessageなどを利用している。新しいチャネルでサポートすることが重要だ。

そして何よりも求められるのが、顧客が複数のチャネルを簡単に乗り移られるようにすることだ。電話のコールセンターで待たされるのであれば、すぐにLINEやFacebookメッセンジャーにスムーズに移行できるべきだ。新しいチャネルに対応している企業は多いが、それぞれのチャネル間を連携している企業はまだ少ない。

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