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コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

アートディレクターなのに、職業が「インスタグラマー」だと思われている!?(ゲスト:秋山具義)【前編】

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広告クリエイターは、何が面白いか、なぜ面白いのかを普段から考えている

権八:ん、何ですか?

澤本:いや、質問に答えてあげて(笑)。何ですか、じゃないよ。

中村:権八さんは一流CMプランナーとして・・・最近もワイドショーで権八さんの名前を見ましたよ。

権八:「新しい地図」ね。

中村:CMプランナーとして活躍している権八さんが普段から意識してることは?

権八:さっきの具義さんの例じゃないけど、確かにCMを見ていて、もっとこうしたらいいのにというのは、おこがましいけど思っちゃったりすることはあるかな。

中村:私、Web野郎もCMに関しては素人で、普通の人は思わないんじゃないですかね。

権八:それは普段やってるからだよね。

澤本:テレビ見てぶつぶつ文句言ってるよね。出てる人も含めて、CM見ていて何これ、誰が企画したのって。逆に、これいいじゃんとも言うし。

権八:業界が狭いしね。そういうのは気になるかも。

秋山:そういう風に全てにツッコんでいくみたいな。

澤本:あ、意識的にツッコミはしますね。変だと思ったら、何で変かなと考えたり。

権八:そういうのが意外と大事というか。自分達がつくったら、それを見てもらって、いいな、面白いなと感じてもらうわけじゃないですか。でも、自分達がつくるときも、面白いなと思ってもらうためには自分が面白いと思わないといけないし、何で面白いかを普段から考えてないと、面白さの回路を自分で創り出せないですよね。あと、よくこうやって「高校生のときに何しておけば」と聞かれますけど、あまりないよね。これをしておけというのは。

澤本:うーん、具義さんは高校生のときは何してたんですか?

秋山:都立三田高校に通っていて、そこに入ると高校1年生、15歳の春から先輩に「ラーメン二郎、うまいから食べてこい」と。

中村:あー、三田ですからね。

秋山:そうそう、36年間ジロリアンですから。三田の日々はほぼラーメン二郎の日々ですね。あとテニスやったり、勉強やったり。アートディレクターはちょっと特殊で、4年制の美大出ないと広告代理店のアートディレクターになれなかったりするので、僕は高校3年生から代々木ゼミナール造形学校に行って。

でも1年目で受からなくて、一浪して、日大芸術学部でデザインを学びました。もともとなぜこっちの道に行きたかったのかというと、中学生のときに糸井重里さんがテレビ番組で司会をしたり、文春で「萬流コピー塾」、「ヘンタイよいこ新聞」を出したりしていて。

それで、広告業界って面白いことができるんだと思ったんだけど、よくよく考えると、結局そういうのをやっているのは糸井さんだけで。でも、それがきっかけで広告に興味を持って、自分はどちらかというと勉強より絵のほうがいいなと思って、デザイン、アートディレクションの道に行きました。

澤本:その頃の糸井さんの活躍ぶりはすごかったよ。普通に駅に貼ってあるポスターを見て、「このポスターいいな」というコピーは糸井さんが書いたものがいっぱいあったもん・・・具義さん、ゴソゴソしはじめて。何ですか、これ?

秋山:これは糸井重里さんがスパイス調合した「カレーの恩返し」というスパイスで、僕がパッケージデザインをやってるんですけど、おいしくて。普通のカレーにかけるだけでスパイシーな香りになる。

澤本:カレーライスのカレールーにかけるということですか?

秋山:それでもいいし、カレー以外のものにかけてもいいです。その小袋が最近出たんです。今まで缶と大きい袋だったんだけど。

澤本:「お家のカレーにひっそりと入れるスパイスです」と書いてある。「華やかで忘れられないおいしさになります」と。面白い。

権八:いろいろ出てくるね、カバンから。かわいい、何それ。

秋山:これはビートルズコラボのほぼ日手帳。僕は『Love Me Do』と『Help!』をつくりました。ビートルズのLoveがタイトルに付いてるものの、いろいろ今まで使われていたロゴで構成して。糸井さんのサインをしてもらって、この間、おのののかちゃんと篠崎愛ちゃんとブロガーの桃ちゃんにもサインしてもらって。

権八:自慢(笑)。

<後編へつづく>

構成・文:廣田喜昭