後藤洋平
前回のコラム「プロジェクトはそもそも計画通りにいかないようにできている!?」では、ルーティンではない仕事はすべてプロジェクトである、と定義して、その進め方を考察しました。しかし、ルーティンで進まないのは、何もビジネス上のプロジェクトだけではありません。本コラムで取り上げる「子育て」こそは、世の中で最も思い通り進まない活動の一つでしょう。絶賛子育て中の著者が、「子育て」と「プロジェクト」で共通して持っておくべき心構えを教えます。
プロジェクト、それは絶えざるヒヤリ・ハットの嵐
はじめまして。この度発刊となりました書籍『
』の共著をさせていただきました、後藤と申します。クラウドサービスの提供会社でPMを主な仕事としつつ、ビジネスメディアでのコラム発表や、本作りに取り組んでいます。アドタイ初登場となります。
想定外のトラブルや予定変更がついて回るプロジェクトをいかにして進めたらよいか。それを「工学」と「編集」の考え方を通して解き明かす、というのが本書のコンセプトです。今回は、例として「子育て」をプロジェクトに見立てて、そこから得られる気づきを皆様とシェアしたいと思います。
子育て、それはプロジェクトの「困難さ」と「面白さ」、その両方をまさに体現する行為
筆者は現在、6歳の長女と0歳4ヶ月の次女の子育てのまっただ中にあります。子育ては、当事者にとって始める前は未知の世界であり、想定外の事態がつきもので、有限の時間のなかで行う活動です。これは本書の定義における「プロジェクト」と言ってもまったく差し支えのないものです。
子育てとプロジェクトの共通点は他にもあります。
子育て中の友人と会話をしていると、結構高い確率で、「子どもの寝息を確認する」という共通の体験の話をすることがあります。それは何かと言うと、単純に子供がかわいいとかそういう話ではなく、「ふと気づいたら息が止まっていたらどうしようか」という漠然とした不安による生存確認行為なのです。
