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コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

五明さんの著書『全米は、泣かない。』の表紙にクレーム?(ゲスト:グランジ)【前編】

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澤本さんは新人の頃、コーヒーのコピーで「これは毒水だ」と書いていた

五明:確かにそこの主張が大きすぎたんですかね。

遠山:映画本に見えなくもないですもんね。映画のことを何かしゃべってる本なのかなと。

澤本:確かに。

五明:OK、OK! 刷り直します。

一同:(笑)

権八:澤本さんとはどういう話をしたんですか?

五明:いろいろなお話を聞かせていただいて。それこそ、まず若手の頃に何をやっていたのか、澤本さんが気を付けていること、いろいろな話を聞かせていただいて。この本の中に書いてあることを言ってもアレなので、結構面白い話も収録されなかったんですよ。

権八:そうなんだ。

五明:澤本さんのあの話、好きなんです。若手の頃に目立たないとダメだと思って、たとえばコーヒーのコピーを書いてこいと言われたら、「これは毒水だ」と書いていたとおっしゃっていて。

澤本:あぁ、はい。「飲んで死ね」と(笑)。

遠山:ぶっ飛んだことを。

権八:コーヒーのコピーで、「これは毒水だ。飲んで死ね」(笑)。ちょっと、どうしたんですか?

五明:そこからどうして今みたいになったんですか?と聞いたら、当時、営業に回されちゃうという。

澤本:そうそう。1年間で何かしらの実績を残さないと、1年後にクリエーティブ局から営業局に行きますよと言われて。僕らの頃はコピーってかっこいいものだと思ってたの。うまく何かを言ってるというよりは、「くうねるあそぶ。」のような、よくわからないけどかっこいい言葉があったから、とにかく刺激的な言葉を書いて、目立つことがコピーだと思って。だからコーヒーでも、「コーヒーがおいしい」と書かないで、「飲んで死ね、この毒水は何だ」と、いっぱい書いて持っていったら、先輩に怒られたわけ。

権八:飲んで死ねって、さすがに酷いな(笑)。

澤本:でも、そういう言葉でも書かないと目立たないと思ったの。どうしたら先輩が気に入るコピーを書くのかを考えた結果、商品の良いところを言い換えたようなことを書いていくと、うまいねと言われるとわかって、こう書けばいいんでしょというものを書いていったら褒められて。書き続けていくうちに、本意か不本意かわからないけど、褒められて。褒められると、誰が書いたんだ? 僕ですと、気持ちよくなって。もともと僕が思っていたコピーと書かなければいけないと言われてきたコピーが違ったという話をしたの。

五明:こんな素晴らしい話が漏れるほど、中にはもっと素晴らしい話があるという。澤本さん、ありがとうございます。

遠山:ちなみにそれは澤本さん、おいくつぐらいのときの話ですか?

澤本:23、24歳ぐらい。

遠山:じゃあみんなに澤本という男は、ちゃんと仕事ができる奴なんだとわからせてから。

澤本:まさにそうで、たとえばあるコーヒーのコピーを書くというときに、最初から僕が1年目で「飲んで死ね。これでいいですか?」と持っていくと、めちゃくちゃ怒られるわけですよ。ふざけんなと。でも、書けるじゃないかとなった後で、「ちょっと1個面白いの考えたんですけどいいですか」と、「飲んで死ね」を出すと、「アリだね」と言うんですよ。

権八:え!?

澤本:それはつまり、「コピー書けるな」と思われてから出すといいんだけど、初っ端から持っていくと、書けると思われてないから全否定から入るの。

遠山:初対面の人に、関係性もないのに、「おまえ死ね」と言うのと、仲良くなって、お互い言い合ってから、「おまえ死ね」というのとの違いということですよね。

澤本:そうです。だから、権八に初対面でヒグマと言ってるのと。

遠山:まぁ、これはヒグマだからしょうがないですよ。ただの酒飲みヒグマですから。

一同:(笑)

権八:今日は飲んでないよ(笑)。

五明:遠山は初対面でも言ってた。

権八:さすがに初対面では言ってないでしょ(笑)。五明さんはなんと、2年前に企画したラジオCMがTCC新人賞、それから第45回フジサンケイグループ広告大賞メディア部門ラジオ最優秀賞。

澤本:最優秀賞に選ばれるのは1本だけだからね。

権八:すごいよね。その年の第11回ニッポン放送CMグランプリ。ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSも受賞と。ACCは何賞でしたっけ?

五明:ブロンズでした。

権八:名だたる賞を受賞された名作CMをつくって。おさらいになっちゃうんですが、そもそもなんで澤本さんは五明さんや遠山さんにラジオCMつくってみたら?と振ったんでしたっけ?

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