「神」か「英雄」か?物語における顧客の描き方から考えるブランド戦略

元P&G、ステンゲル氏の「目的」別ブランド分類

123RF

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では物語ブランドについて語りました。

今回はその物語にも、いくつかの種類があるということをご紹介したいと思います。これは文学においてはジャンル論と呼ばれる領域です。ブランドの領域における、こうしたジャンル分けの中で、近年もっとも有名なのは元P&Gのジム・ステンゲルの著書『Grow(邦題:本当のブランド理念について語ろう 「志の高さ」を成長に変えたトップ企業50)2011年刊』で語られているブランド理念の分類でしょう。それは下記の5つの理念原則に分類されます。

1.喜びを感じさせる(幸せや驚き、無限の可能性を体験する後押しをする)

2.結びつく事を助ける(他の人達や世界と有意義な形で結びつく能力を高める)

3.探究心を刺激する(新しい世界や経験に乗り出すのを助ける)

4.誇りをかき立てる(自信や力、安心感、活力を高める事を可能にする)

5.社会に影響を及ぼす(現状を揺さぶり、社会全体に好ましい影響を与える)

アップルやグーグルのようなテクノロジー企業は主に「探究心を刺激する」でしょうが、フェイスブックやスターバックスは「結びつく事を助ける」であり、コカ・コーラやマクドナルドは「喜びを感じさせる」ことがその目的と言えるでしょう。

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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