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コラム

アスリートとつくる、熱量の高いファンのコミュニティ

レッドブル・エアレースが根付くまで10年、特殊スポーツをカテゴリーごと育てる意義

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レッドブルの ブランドスローガン“翼をさずける” を象徴する飛行機のレース、レッドブル・エアレース。
Red Bull Content Pool

先日Red Bull Crashed Ice Yokohama 2018に一観客として参加し、マーケティング部長として在籍していたレッドブルのイベントを客観的に見る機会を得た。素直にあの世界観を目の当たりにすると改めてユニークなブランドだと感じた。

この大会の競技はアイスクロス・ダウンヒルレースと呼ばれ、横浜みなとみらいの臨港パークに氷のコースを相当な時間をかけて作っている。ほとんどこのスポーツのことを知らない観客達が、レースをする氷上の壁面をバンバン叩き応援することで選手も盛り上がる。純粋に新しいスポーツカテゴリーを育てたい、スポーツエンターテイメントとして新しい文化を作りたいというブランドの思いはとても伝わってきた。

アイスクロス・ダウンヒルレース「Red Bull Crashed Ice Yokohama 2018」の様子。
Red Bull Content Pool

私が在籍していた時にも、このレースの面白さは常にメディアでもなんども取り上げられ、次なる国内展開するワールドシリーズはこれだと思い関わってきたが、これが実際に形になることを見て少し寂しさもありながらも感無量である。

アイスクロス・ダウンヒルレースとは何かだが、正直スポーツとしては国内では全く認知されておらず、選手もほとんどいない。

私も2008年くらいから海外のシリーズに参戦したいという当時大学生だった猿渡亮選手をサポートし、そして今回6位入賞と大健闘した山本純子さんは2010年から参戦しているが、なかなかこの競技に挑戦したいという選手も少なくこれでプロになることも難しい。アイスホッケーで活躍している選手も、いざあの斜面に立ってもらうとものすごい抵抗があり、足がすくんでいる場面も見た。

今回も参戦した現在全日空に勤務する猿渡選手は10年以上のアルペンスキー、アイスホッケー経験を経てアイスクロスへ転向しており、シリーズ参戦する安床兄弟もインラインスケート選手で複数のスポーツ経験から、この競技に挑戦している。記者会見の中で、安床選手が費用面含めた現状について語っていたが、このような参加人数に少ない特殊なスポーツを進めていくには相当なる勇気が必要であり、どうやってアスリートをサポートするかも鍵である。

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