ゲームデザインでもプロジェクトでも、「記録」が役に立つ

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Saashi(サアシ)さんは、ボードゲームの『エレベータ前で』や『COFFEE ROASTER(コーヒーロースター)』などをデザインした、アナログゲームのクリエーターです。『予定通り進まないプロジェクトの進め方』の著者 前田考歩さんは、ボードゲームデザインの思考法や制作プロセスには効率的にプロジェクトを進めるヒントがあるのではないかと考えています。Saashiさんに話を聞きながら、前田さんがそのヒントを探ります。

目標を具体化すれば、経路が見えてくる

前田:

まず、ゲーム作りのプロセスを簡単に教えてください。

Saashi:

作り方は千差万別です。テーマや物語から作る場合もあれば、ルールなどコアなメカニクスの部分から作る場合もあります。どちらにしても、自分の中に浮かんだアイデアを形にしていきます。

例えば、カードゲームを作る場合は、どういうカードにするのか、どういう手順でゲームを進めていくのかといった、説明書の冒頭に書くようなことから考え始めます。暫定的なルールができたら、最初は自分でゲームを試しながら、カードの枚数やルールを調整していきます。

そうやって、ある程度完成形に近くなると、僕の場合は外部の方に入ってもらい、テストプレイをします。第三者がプレイするのを見て、ルールのわかりやすさやゲームの面白さをチェックして、さらに工夫を加えます。

前田:

Saashiさんがテストプレイをするように、プロジェクトでも、商品やサービスを市場やユーザーにぶつけてみて、その時の反応から、プロジェクトが進むべき方向性を推論します。

僕は、Saashiさんのようなゲームをデザインする人は、最初の段階からそれらを全て見通してコントロールしきっているように感じています。そういう風に俯瞰したメタ視点で構造的に見るスキルは、プロジェクトを進めていくうえで非常に重要だと思っています。

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