「APEXはなぜ熱狂的な顧客を獲得できたのか?POLAが実践するコミュニティマーケティングとは【前編】」はこちら
情報の流通速度やテクノロジーが発達して、市場への参入障壁が下がり、製品のコモディティ化が進むなか、自社ブランドや自社製品のユーザー・顧客・ファンをコミュニティに迎え入れて、製品開発やマーケティングに活かそうという、「コミュニティマーケティング」がよく見られるようになってきました。ただ、ユーザーと一緒に何かを創ろうとすることには色々な課題があります。
コミュニティを維持・運営していくために、どのようにユーザーと接すればよいのか?イベントや情報など、どんなコンテンツを提供していけばいいのか?『予定通り進まないプロジェクトの進め方』著者でプロジェクト・エディターの前田考歩さんが、「アペックス」ブランドマネージャーの菅 千帆子さんに聞きました。
コミュニティを維持・運営していくために、どのようにユーザーと接すればよいのか?イベントや情報など、どんなコンテンツを提供していけばいいのか?『予定通り進まないプロジェクトの進め方』著者でプロジェクト・エディターの前田考歩さんが、「アペックス」ブランドマネージャーの菅 千帆子さんに聞きました。
前田:前編
でお伺いした、「指名買いブランドになる」という目標の「勝利条件」について教えて頂けますか?勝利条件とは、プロジェクトで掲げた目標が成功したといえる判断基準・評価指標のことなのですが、どういう状態になっていれば、あるいはどういう指標を達成していれば、「指名買いブランド」であると言えるのでしょうか?
菅:
そのためにはまず、化粧品業界をとりまく環境の変化についてお話させてください。
APEXが生まれた頃の美容業界には、現代のように専門の雑誌やネットがなかったので、業界側の方がお客様よりもたくさん美容情報を持っていました。APEXでいえばビジネスパートナーが先生役になって、「あなたの肌はこういう状態だから、こんな風にお手入れしなきゃダメよ」のようなティーチングのスタイルがすごく効いた時代です。
しかし、こういった状況がここ5年、10年で変わってきました。ネット社会になってから、お客様自身が情報を調べてくるようになり、ビジネスパートナーの知識を上回るような情報をもつお客さまも増えてきました。そうなると、お客様の「本当はこういうお手入れがしたい」という想いと、ビューティーディレクターがおすすめしたいことにズレが生まれ始めてきたんですね。
