日本のメディア企業のマーケティングはどうあるべきか?

【前回】「メディアを根本から変える!? マーケティング理論の刷新とエマージング・テクノロジー」はこちら

サイバーアタック、権利処理…未来のビジネスモデルが生み出す新たなリスク

©123RF

全7回の本連載も、今回で最終回となった。これまで消費者の変化に合わせて、“マス”メディア企業にもパーソナライゼーションが求められている背景について、説明してきた。最終回では、その先にある未来について、具体的にはメディア企業の未来のビジネスモデルにより生まれる新たなリスクについて、解説していきたい。

消費者がメディア、コンテンツ体験に求める要素が変わり、放送と通信の融合が進むと、コンテンツのあり様が変わり、メディアの枠組みも大きく変わる。そうなると当然、今まで想定しなかったリスクへの対応が求められるようになってくる。例えば、放送波を通じてのコンテンツ提供では、サイバーアタックのリスクを心配する必要性は高くなかったが、通信インフラを使った同時配信が実現すると、サイバーアタックのリスクだけではなく、ウイルス感染などにも対応する必要性が高まってくる。

またクロスメディアでのコンテンツの利活用が前提となれば、その権利クリアランスに関してもより詳細なルール決めや、権利付与の在り方そのものにも変革が求められるようになるだろう。

さらに大きなテーマはパーソナライゼーションがより進むと、その大前提となる「個人情報の管理」ルールについても、現状よりさらに厳格な管理が求められるようになっていくということだ。

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森井理博(PwCコンサルティング マネージング ディレクター /事業構想大学院大学 特任教授)
森井理博(PwCコンサルティング マネージング ディレクター /事業構想大学院大学 特任教授)

データベースをフルに活用した「バックキャスト・マーケティング」という新たなマーケティング方法論を提唱。1989年電通入社。マーケティング局で戦略プランニング、営業統括局でCS放送局の立ち上げ並びに中国プロジェクト(在任中に「アジアビジネススクール」修了)を担当後、世界最大の外資FMCG企業のアカウント責任者。2014年あきんどスシロー入社、取締役・執行役員 マーケティング本部長。2016年Peach Aviation 執行役員 データドリブン・マーケティング本部長。2018年9月より現職、事業構想大学院のマーケティング担当・特任教授も兼務。

森井理博(PwCコンサルティング マネージング ディレクター /事業構想大学院大学 特任教授)

データベースをフルに活用した「バックキャスト・マーケティング」という新たなマーケティング方法論を提唱。1989年電通入社。マーケティング局で戦略プランニング、営業統括局でCS放送局の立ち上げ並びに中国プロジェクト(在任中に「アジアビジネススクール」修了)を担当後、世界最大の外資FMCG企業のアカウント責任者。2014年あきんどスシロー入社、取締役・執行役員 マーケティング本部長。2016年Peach Aviation 執行役員 データドリブン・マーケティング本部長。2018年9月より現職、事業構想大学院のマーケティング担当・特任教授も兼務。

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