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消費者とリアルな接点を持てる交通広告・OOHは、「移動空間」や「景観の一部」という従来の概念を飛び越え、人や人、人と地域のコミュニケーションの場を生み出していく可能性があります。
本コラムでは、「Metro Ad Creative Award」の審査員らが登場。交通・OOH広告を広く、街の魅力を創造するメディアとして捉え、最前線で活躍するクリエイターたちが自身を刺激する都市におけるクリエイティブについて語ります。
今回はプランニング部門審査員の木村健太郎氏によるコラムの第1弾です。
強くて効果的なアウトドア広告の作り方(1)
いいアウトドア広告とはどのようなものなのでしょうか。強くて効果的なアウトドア広告のクリエイティブはどのように発想すれば良いのでしょうか。今回は2回に分けて非常にベーシックなことを書いてみようと思います。
まず、アウトドア広告の強みとはなんでしょうか?テレビ広告やデジタル広告と比べてみましょう。
一般的には、テレビ広告の強みとは多くの人に届けられるという点ではリーチ(到達)ですよね。デジタル広告には同じスクリーンで商品サイトにクリックできるという点でコンバージョン(送客)という強みがあります。
でも、アウトドア広告は、PRをからめたり、スマホと連動しない限り、それ自体はリーチにもコンバージョンにもあまり強くありません。
アウトドア広告ならではの強みは、「レレバンシー」です。レレバンシーとは、関連性、親和性という意味。ひとことでいうと、ブランドやクリエイティブとスペース特性との相性です。
例えば、英会話教室にとってレレバンシーが高い広告とはどんなものでしょうか。それは、英語がもっとしゃべれたらなあと思った瞬間、たとえは海外から帰国した直後に通る国際空港の帰国ゲートに「今度こそ始めよう、英会話。」と書いてあったらなんだかやる気になりますよね。このような、ブランドについての意識や気分が盛り上がる瞬間のことを僕は、ブランドと生活者の「トキメキの瞬間」と呼んでいます。
トキメキの瞬間の見つけ方には、「購入欲求」、「使用実感」、「商品形状」、「ターゲット属性」などのアプローチがあります。今度は、カップ麺のトキメキの瞬間を例にアウトドア広告の発想の仕方を考えてみましょう。
ひとつ目は、「購入欲求」でトキめかせるという発想。その商品を買いたいという欲求が高まる瞬間を捉えるというアプローチです。カップ麺の場合は、お腹が空いた瞬間をメディア化したりクリエイティブ化したりという考え方。さっきの空港の帰国ゲートに英会話の広告をというのもこの考え方ですね。