業績向上にも貢献? ニチレイフーズの社内風土改革「ハミダス活動」とは

ニチレイフーズが2011年から取り組む社内風土改革「ハミダス活動」。トップと一緒に従業員を巻き込みながら、対話や情報発信を重ねた8年間の軌跡をプロジェクトリーダーを務める吉野達也氏が明かした。

社内の推進役である「ハミダスフレンズ」のメンバーたち。

冷凍食品のパイオニアとして知られるニチレイフーズ。同社が取り組む社内活性化プロジェクト「ハミダス活動」について、ブランド推進部 ハミダス推進グループの吉野達也氏が語った。

ニチレイフーズは現在、2266億円の売上高を記録するほどのグループの稼ぎ頭だが、ハミダス活動が始まったころは、売上の横ばい状態が続き、営業利益率が1%台の時もあった。業績に影響されてか、部門間の壁が見受けられ、社内の雰囲気も沈みがちだったという。

「当時は得意先からも『最近ニチレイさん元気ないですね』『自信や誇りをなくしているんじゃないか』という声が多く聞かれるほどでした」。

そんな状況を打破しようとしたのが、当時代表取締役社長だった池田泰弘氏。2011年に社長に就任すると、「風土改革」「経営改革」「収益構造改革」からなる、3つの業務改革を断行した。ハミダス活動は、この「風土改革」のひとつとしてスタートした。

従業員の自発を促す対話

同年には、グループのミッションとビジョンも新たに制定。社内風土改革宣言も行われた。その後、吉野氏はミッションとビジョンをグループ内に浸透させる役割を任されることに。そこで、従業員のモットーだった「ハミダス(とらわれず、明るく)」を、取り入れようと考えた。

活動の根幹となるのは、従業員向けの2つの活動。ひとつは対話の「あぐら」で、もうひとつが情報発信である「動画メッセージ」だ。

「あぐら」は経営者と社員の双方向のコミュニケーション。経営者はミッション・ビジョンやトップメッセージを、参加した従業員は現場の生の声を、互いに伝え合う機会となる。階層別のメンバー構成で、1回10人程度の少人数制。議事録も非公開にすることで、活発な対話を促している。

開始当初は苦労も多かった。「初めは誰も話してくれなかった。一生懸命話しかけても目を合わせてくれず、つらかった」と吉野氏は当時を振り返る。「しだいに少しずつ話す従業員が出てきて、4年目には私が促さなくても、誰もが話せる雰囲気になりました」。

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