【前回コラム】「『ガラスの仮面』に学ぶマーケターのヒント③「コア・メッセージを考える」篇」はこちら
消費者の発言の裏に隠された本心を解釈するためのトレーニング方法
『ガラスの仮面』は大好きですし、お気に入りのシーンはたくさんあるのですが、4回目となるとどのシーンを選ぶのかが難しくなってきました。そこで先日“ガラカメ”ファンの元同僚を呼び出し、ネタ探しという名目で飲み会を行いました。お互いの好きなシーンを挙げて勝手に演じて盛り上がり、あっという間の2時間。今回は、そこでもらったネタをマーケティングに結び付けてみました。大喜利を聞くような優しい気持ちで最後まで読んでいただけたらと思います。
マーケティングの仕事をしていると、定量調査、定性調査、グループインタビュー、消費者とのワークショップなど、様々な方法で消費者の声や利用実態をヒヤリングすることが多いのではないでしょうか。そこから新製品開発のヒントを得たり、売れる可能性を模索したりと、この活動はビジネスにとって大きな影響を与えるものです。つまり消費者の声を正しく理解することが、マーケターにとってはとても大きな仕事となります。とはいえこれが結構難しい。それはなぜでしょうか。
消費者が発する言葉と、その奥に隠された本心とにギャップがあることが往々にしてあるからです。「欲しいと思っています」と消費者が言ったとしても、購入して使用したいほど欲しいのか、あったらいいなとは思うけれどわざわざ買うほどでもない程度なのか、安かったら1回は買ってもいいかもというレベルなのか、言葉からだけだとわからないのです。
このように、マーケターが必要とする、言葉の奥に潜む本心を読み取る力を鍛える方法はないのでしょうか。『ガラスの仮面』の中に、ぴったりなトレーニング法を見つけたのでご紹介します。
かの月影千草が劇団『つきかげ』において団員・研究員に課したトレーニングのひとつに次のようなものがあります。ペアになって会話をするのですが、1人は自由に質問を投げかけることができるのに対し、もう1人は「はい」「いいえ」「ありがとう」「すみません」、この4つの言葉だけで自然に受け答えなければいけないというエチュードです。
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