「資源」の定義が新しい市場を生み出す 「戦略」論から考えるマーケティングのヒント

音部大輔氏の戦略論の要は「目的と資源」にあり

©123RF

P&G、ユニリーバ・ジャパン、日産自動車、資生堂などの国内外の企業でマーケティングに携わってきた音部大輔氏は、この業界きっての「戦略」の大家であり、その著書『

なぜ「戦略」で差がつくのか。戦略思考でマーケティングは強くなる

』で、その重要性を説いています。音部氏によれば、戦略の要諦を一言でいえば、「目的と資源」に注目することだそうです。

「戦略」においてはマイケル・ポーターが、1985年に刊行した『競争優位の戦略』で提示した、外的な競合環境に注目する「ポジショニング(競争戦略)」が、ジャック・トラウトやアル・ライズのようなコンサルタントによる解釈を経て、マーケティング業界では有名な存在です。

また、「資源」に注目するという視点は、経営学的に言えば、90年代以降にジェイ・B・バーニーらが唱えた「リソース・ベースト・ビュー(resource based view経営資源を元にした戦略論)」として知られる考え方が元になっています。

「ポジショニング」は戦略の中でも、目指す場所、つまり「目的」に関係するものです。つまりポーターの競争戦略は、目指す市場の構造を理解したうえで自社にとって有利な場所、「どこを狙うか」という「目的」に関わる戦略であり、バーニーの経営資源の戦略は、それを「どうやって達成するか」という自社の「強み」を活用する戦略であるといえます。

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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