第1回 世界中で同じ話題、違うニュアンス。

「コロナ語を話せますか?」と、こんな書き出しで始まった新連載。ここではコロナ禍で生み出された単語や言い回しについて、複数の言語にわたって調査したことをまとめます。ウィズコロナやポストコロナの世界で変わっていくコミュニケーションの中でも「言葉」に特化して分析します。

コロナ語を話せますか?

英国のThe Economistが発行する1843誌は4月8日に「

コロナ語を話せますか?covid-19のスラング案内(Do you speak corona? A guide to covid-19 slang)

」という記事を出しました。英語、オランダ語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、中国語、それぞれの言語圏において、コロナ禍で広まっている言葉の事例が載っています。

たとえばこんな感じです。

Hamsteren

オランダ語。直訳すると「ハムスターする」

パニックになって買い溜めすること

ヨーロッパで新型コロナウイルス感染症が広まる初期段階に、オランダの大臣が「食べ物を溜め込まないように」と警告し、それを手話通訳者がハムスターのようなジェスチャーで表現したことから流行しました。その後3月13日の記者会見でマルク・ルッテ首相は「

ハムスタるのはやめましょう。(Stop met hamsteren)

」と発言。“Hamsteren”はもともと食料品などをセールのうちにたくさん買って備蓄しておこうという前向きな意味で使われていましたが、コロナ禍でそのニュアンスが変わりました。

Coronaspeck

ドイツ語。直訳すると「コロナベーコン」

外出自粛で太ること

「家に閉じこもって何週間も蓄えられた脂肪」をイメージさせる言葉。もともとドイツ語には“Kummerspeck”という言葉があり、直訳すると「悲しいベーコン」。失恋の悲しみなどから食べすぎてしまうこと。1843誌では「ブリジット・ジョーンズが彼氏と別れてどさくさに紛れてバケツほどのアイスクリームをむさぼる姿」と形容されています。そのコロナ版です。

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小塚泰彦(morph transcreation 共同代表/トランスクリエイター)
小塚泰彦(morph transcreation 共同代表/トランスクリエイター)

2004年博報堂入社。コピーライターを経て、デザイナーに。ソーシャルデザインに従事しながら、博報堂生活総合研究所研究員を経て、ブランドデザイン部門でコピーライターとアートディレクターを兼務。2012年退社し渡英。Royal College of Art(英国王立芸術大学院)イノベーション・デザイン・エンジニアリング学科MPhilを中退して、リサーチコンサルティング会社FlamingoのリサーチャーだったKieran Hollandと共同でロンドンで創業。「トランスレーションからトランスクリエーション®へ」を標榜して株式会社 morph transcreationを東京で設立。主にグローバル企業の経営企画、ブランド戦略、マーケティング、PR、広告に関する複数言語の言葉のクリエイティブ・コンサルティングを行う。東京とロンドンを拠点として、アトランタやニューヨークにも主要メンバーを持ち、日・英・米・中・韓・独などマルチリンガルなチーム。
会社HP:https://morphtc.com

小塚泰彦(morph transcreation 共同代表/トランスクリエイター)

2004年博報堂入社。コピーライターを経て、デザイナーに。ソーシャルデザインに従事しながら、博報堂生活総合研究所研究員を経て、ブランドデザイン部門でコピーライターとアートディレクターを兼務。2012年退社し渡英。Royal College of Art(英国王立芸術大学院)イノベーション・デザイン・エンジニアリング学科MPhilを中退して、リサーチコンサルティング会社FlamingoのリサーチャーだったKieran Hollandと共同でロンドンで創業。「トランスレーションからトランスクリエーション®へ」を標榜して株式会社 morph transcreationを東京で設立。主にグローバル企業の経営企画、ブランド戦略、マーケティング、PR、広告に関する複数言語の言葉のクリエイティブ・コンサルティングを行う。東京とロンドンを拠点として、アトランタやニューヨークにも主要メンバーを持ち、日・英・米・中・韓・独などマルチリンガルなチーム。
会社HP:https://morphtc.com

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