CMプランナー 福里真一さんを中心に、第一線で活躍するCMプランナー7人が集まった「哀しきCM プランナーの会」。新型コロナで、いろいろ変わり、新型コロナで、いろいろ変わり、いろいろ乗り越えた1年。2020年という年を、振り返っていただきました(本記事は『ブレーン』2021年2月号に掲載した記事の冒頭を抽出、再編集したものです)。
コロナはCM表現にどんな影響を与えた?
福里:
「哀しきCMプランナーの会」がブレーンに載るのは2019年に続き2回目ですね。この会は、CMプランナーという職種が、CMや動画制作において決定的な役割を果たしているにもかかわらず、職種として評価されてないという哀しみ、そして「CMばかりやってるのはかっこよくない」みたいな視線への哀しみを感じる人たちが集まって語り合う場です。イケイケの人ばかりが集いがちな『ブレーン』に、こういう場所があるのはいいことなんじゃないでしょうか(笑)。今回は3つのテーマで話し合いたいと思います。ひとつめのテーマは「コロナとCM」。コロナが、働き方とか暮らし方ではなく、CM表現そのものにどんな影響を与えたのか。まずは栗田さんが関わったサントリー「話そう。」の話から、どうでしょう。
栗田:
「話そう。」はコロナ下で人との繋がりが希薄になる中で「人と人が話す」ことの価値を改めて伝えようと、堺雅人さんなど37名のタレントさんに出演していただいたWeb動画シリーズです。これをつくったのは緊急事態宣言下の5月。誰もが何を言っていいのかわからず、皆が広告を自粛している雰囲気もあり、その中でサントリーさんと「今言えることは?」と探る中で生まれたものです。当時はオンライン飲み会が流行りはじめていた頃でしたが、「話そう。」はオンライン飲み会を、というよりも人と人とのコミュニケーションが増えれば世の中の人の心がちょっと軽くなるのでは、と考えた企画で。緊急事態宣言中にすぐ届けたい!となり、クライアントさんや電通のクリエーティブディレクター田中直基さんをはじめとするスタッフが一丸となり、フルリモートで撮影しました。


