※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。
より強靭な組織にするために
久保さんは医師の阿部吉倫さんとともにUbieを立ち上げたものの、当初はエンジニアをはじめ、有能な人材を確保することに苦労したと言います。そして、その次に訪れたのは「セールス組織の壁」。久保さんはエンジニア、阿部さんは医師と、互いにプロダクト(生産)や開発をする側だったため「セールス(販売する)側の会社ではなかった」と当時の課題を吐露します。
そこで、社員に人材を紹介してもらうリファラル採用などを試みたものの、セールス能力やノウハウに長けた人材が思うように集まらず「提供するサービスができあがって“これから売っていくぞ!”というときに、そのアンマッチが起きたのはすごく大きな壁でした」と振り返ります。
それを解消しようと、Ubieは2019年の夏に大きなテコ入れをします。久保さんによると、企業をスケールアップさせることに軸足を置く「Scale(スケール)組織」と、開発を進めることに専念するディベロッパー(開発者)による「Dev(デブ)組織」の2つに完全に切り分けたそうで、「それぞれの組織でSlack(チームコミュニケーションツール)のワークスペースも違いますし、Googleドライブ(クラウドストレージ)も違う。完全にカルチャーを分ける形で、SaaS(サース/Software as a Serviceの略称)を運営する道を選んだ」と言います。
適材適所をより際立たせた運営方法にシフトしたのをきっかけに、「セールスやカスタマーサービスなどの経験のあるすごく優秀な人材が、Scale組織にジョイン(加わる)し始めて、現在はうまくいっている」と手応えを語ります。
Ubieが目指す組織づくりとは?
Ubieは、Scale組織とDev組織に切り分けたことに加え、非常に珍しい取り組みを導入しています。それはなんと「役職なし」「評価なし」「人事なし」の組織づくり。
その意図について、久保さんは「そもそも役職に関して言うと、スタートアップで最初に役職を設けて強い人を採るパターンと、そうではなくすごくフラットで成長していくパターンがある。我々は基本的に後者のパターンで、役職に魅力を持つ人とはちょっと違う考え方なんです」と説明。
