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コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

おじさんを転がすのが異常にうまい!話題の女流棋士、そのルーツとは?(ゲスト:山口恵梨子)【前編】

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将棋初心者脱却のアドバイスは「得意戦術をひたすら極めること」

中村:僕たち初心者おじさんが簡単に初心者を脱却して、「これはこういうふうにやった方がいいね」「この形に持っていけば勝ちだね」みたいな、そういう Tipsはあったりしますか?

山口:ありますね!まずは得意戦法の戦術を決めることです。

中村:戦術(笑)!?

山口:「この戦術で俺は戦っていくんだ!」という戦術を決めて、いっぱい将棋を練習して、何がダメだったかをどんどん反省していくっていう作業すると、どんどん強くなります。反省する作業がすごく大変なんですけど……。あとは反省するより先に、知識を得るのが大切で、例えば王様を簡単に取るためには、ある程度相手の王様を守っている金銀などの駒を剥がしていかなきゃいけないとか、自分の初期配置より相手の駒をどんどんタダで取って増やしていくっていうのとか……。「駒得」っていうんですけど、「駒得」と王様を攻めるスピードが相手と比較した時に、自分のほうが早いとか。そういう基準をけっこう頭に入れておくと勝ちやすいかなって思います。

中村:戦術のパターンっていっぱいあるんですか?

山口:いっぱいありますね。まず大まかに「振り飛車」と「居飛車」があって。飛車を横に持っていくか、それとも縦でそのまま使うかっていう。

中村:はいはいはい。

山口:大まかに分かれていて、初心者さんにおすすめなのは、「振り飛車」です。なんでおすすめかっていうと、まず自分の王様を守るための自分の城を建てるんですよ。

澤本:はい。

山口:その城をしっかりつくって「囲い」っていうんですけど、その固い「囲い」に収まっていたら相手が相当うまく攻めてこないと王様はとられないんです。

澤本:うん。

山口:なので、事前に王様を取られにくくして、そこからどんどん攻めて王様を取りにいくっていうのがおすすめですね。

澤本:将棋って終わった後に感想戦ってあるじゃないですか。みんな最初から最後までどうやって指したか覚えているんですか?

山口:覚えています。でも、序盤の30手目ぐらいまでは、ある程度知識としてみんな一緒なんですよ。

澤本:はいはい。

中村:へえーー。

山口:今回はこの戦型だっていう分類が全部されていて、それをみんなある程度覚えているので、そこから先なんですよね。

澤本:なるほど。

山口:1手目から例えば120手目まで全部覚えているっていうわけではなく、その1手目から50手目ぐらいまでは決まりきったことで、そこから先の展開を覚えているっていう感じ……。

澤本:なるほど。僕小学校の時に将棋部に入ったんですよ。……入りたかったというよりは他に入るところがなくて。最初は周り将棋とかをやっていたんですけど、怒られたので、おっしゃった通り、「戦術」っていうんですか?なんか棒銀がなんだとかいうふうなものを参考書で覚えて……。とりあえずそういうことだけやってりゃいいやと思ってやってると、たまに勝つんですよ。

中村:へえー。

澤本:なぜ勝ったかは分かんないけど、たぶんそんなに専門的なことじゃなくて。

山口:いやでも本を読めるのがすごいです。将棋の本ってけっこう難しいんですよ。

澤本:でも子ども向けでした。小学生が読めるような棒銀戦法とか。穴熊ナントカとか。

山口:私、実は将棋の本、小学生向けですら読めなくて(笑)。

澤本:え!?どういうことですか?感覚でやっちゃっているってことですか?

山口:文字を追いながら、その盤面を追う作業っていうのが……、私両方を追うことができなくて。なので、将棋の本だと盤面の絵だけを見て、それで覚えていく感じでやっていました。

澤本:それ、逆にすごいですね。

山口:いや、文章を読みながら絵を追うっていう作業ができるほうが、私はすごいなって思います。

次ページ 「将棋の勉強は、学校の勉強にも活きる!?教科書は画像で記憶する」へ続く