情報、メディア、コミュニケーション、ジャーナリズムについて学びたい人たちのために、おもに学部レベルの教育を2年間にわたって行う教育組織である、東京大学大学院情報学環教育部。月刊『宣伝会議』編集長の谷口が同部で講義を担当していることから、受講生の皆さんと編集コンテンツの企画から制作までを実地でチャレンジ。今回は、2014年創刊で「東大女子のリアル」を取り上げる『東大美女図鑑』編集長でもある望月花妃さん(教育部1年)が、ルッキズムやジェンダーの問題が顕在化するなかで、自分たちのメディアが目指すべき道を考えます。
ルッキズムやジェンダーの問題が顕在化する昨今、こうした問題が潜在的であった頃に恩恵を受けていたコンテンツは手放しで楽しめるものではなくなっています。昨今はクイズ番組などで東大生ブームが起きていますが、このブームよりも早く存在していた、才色兼備を象徴する存在としての「東大女子ブーム」を先導した『東大美女図鑑』も、そのひとつです。
時代とともに変化するのは、読者ばかりではありません。ルッキズムやジェンダーの争点、コンテンツに付随する偏見や固定観念を理解した上で、「東大女子の輝く姿を紹介する」という特性を活かして読み手を傷つけることなく勇気づける媒体であるべく、つくり手である編集部は試行錯誤を続けています。
私も編集部に在籍し、試行錯誤を続けている一人です。この過程を明らかにすることは、社会の価値観の変化を受けたコンテンツの改革のモデルをひとつ示すことになるのでは?そんな思いから、次号vol.14編集長を務める私(望月)の視点からその軌跡を追いました。
「東大女子」のリアルを発信する『東大美女図鑑』
私たち東大美女図鑑編集部は、年2回の学祭に合わせて『東大美女図鑑』を制作しています。本誌は雑誌でありながら写真集に近く、その内容はタイトルの通り、東京大学に在学している「かわいい」女子学生を紹介するというものです。
