2030年に向け活発化するSDGsの取り組み。実践には“未来”の姿を描くことが不可欠です。本コーナーは多様なフィールドで活躍する人たちと共に、理想の未来を考えていく、連載企画です。今回は外食部門の個人としてブログやInstagramで多くのファンを持ち、“食のエンターテイナー”として活動するはっしーさん。食業界が抱える社会問題に、“楽しく”挑んでいます。
*本記事は7月30日発売の『広報会議』9月号掲載の「SDGs未来会議プロジェクト」との連動記事です。
若い世代に楽しく広める
—SDGsにどんな認識を持たれていましたか?
一般の人にとってはとっつきにくい課題と思われがちですよね。若い世代に、どうすれば楽しく取り組んでもらえるか。その機会をつくりたいと、電通に勤務していた時代からずっと考えてきました。
学生と環境にやさしいお菓子を提案
2025 年の大阪・関西万博の開催に伴い、「大阪名物となるお土産づくり」をテーマに、バンタンスクールの学生約300人が参加。監修講師として環境と食を掛け合わせた企画立案に携わった。
2025 年の大阪・関西万博の開催に伴い、「大阪名物となるお土産づくり」をテーマに、バンタンスクールの学生約300人が参加。監修講師として環境と食を掛け合わせた企画立案に携わった。
その一環で行っているのが、バンタン高等学院での授業です。同学では「SDGs万博」を掲げる2025年の大阪・関西万博に向け、大阪の新名物を企画するコンテストを実施していて、私も監修講師として学生たちのプロジェクトを先導しました。
そこで出たアイデアのひとつに、万博が開催される大阪湾の海洋プラスチック問題に着目し、「ハッピーターン」の包装紙を「水溶性プラスチック」にする、というものがありました。
このアイデアにはSDGsを広める上で重要な視点が含まれていると思いました。課題を伝えることから始めず、よく知られたお菓子とのコラボを入り口に、パッケージを大阪湾に見立て、大阪湾にいる魚の味をフレーバーにすることで興味を加速させ、さらにその包装紙が水溶性プラスチックになっている。
手に取った人が、なぜこの素材を使っているのかに考えが及ぶことで、大阪湾の課題を知る。そして、大阪湾の環境改善のために売上の一部を還元するという“新たなハッピーをターンする”というまとめ方も、素晴らしいなと思いました。

