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コロナ禍での適切な情報発信とメディア露出を実現した、ダイキン工業のブランド戦略

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コロナ禍で「空気で答えを出す」を体現

山田:これがまさに灯台機能で、読者の反応を検証しながら次の展開の参考にしています。そのためにバックヤードでのデータ分析をかなり緻密にされていますよね。

山田 まさる氏

1965年大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、コムデックス入社。2007年5月、IMC(Integrated Marketing Communication)を実践する日本初のプランニングブティックとしてインテグレートを設立、COOに就任。2008年にはコムデックス代表取締役社長に就任。同年「魚麟癬」啓発活動にて日本PRアワードグランプリ・日常広報部門最優秀賞受賞。2020年インテグレートCOOを退任、特別顧問に就任。

 

片山:何人に読まれたのか、急にネタが跳ねたとか、そういう動きを、東洋経済とインテグレートさんと我々が同じダッシュボードを見て、その要因を探ります。

これはリアルタイムでないと意味がありません。1カ月後に変化の理由を見つけることはできませんが、昨日の動きの原因はだいたい分かりますからね。世間でこういうことが起きたから、関心が高まって跳ねたんだなと。

また、記事への意見を見ていると、どのような出し方をするとどういう風に捉えられるのかが分かってきます。それを参考に次の記事を展開したり、デジタル広告用の新しいクリエイティブを作ったりしています。

山田:そうした中で昨年、新型コロナウイルスの感染拡大が起こったわけです。まさに空気の課題で生活者が困っている状況です。「空気で答えを出す会社」として、換気という空気の課題に答えを出さないといけない。

片山:コロナという非常にデリケートな案件ですので、発信することには正直ためらいもありましたが、山田さんから「今やらずしてどうする!」と叱咤激励されつつ、インテグレートさんの全面協力で急ぎ進めました。まず取り組んだのはどうすればちゃんと換気できるのかが分からないという課題に対して、換気の分かりやすい方法を伝えることです。同時にエアコンをつけていれば換気ができるという誤解があり、エアコンをつけていても換気が必要であることも、空調メーカーとしてきちっと啓蒙活動をしなければいけないと考えました。

山田:3月中旬に換気についてのコミュニケーションを始めることが決まり、4月10日には「上手な換気の方法~住宅編~」というサイトをオープンしました。このサイトは、中学生が読んでもすぐに実行できるように、分かりやすさにこだわりました。

テレビ番組で使ってもらえるようにビジュアル重視でイラストを多用して、ダイキンさんが空気の専門会社として紹介されることも狙っていますね。結果的に、Webやテレビを中心に昨年末までで合計1500件以上の露出を獲得しました。

地方テレビ局でも60件以上取り上げられて、全国に発信され、「空気で答えを出す会社」のテレビ露出では、2019年の約8倍、2018年の約11倍という、過去最高の実績になりました。

次ページ 「優れたブランドはコミュニケーションの旗印になる」へ続く