世の悲哀なる“部長”たちよ。今回は諸君達へのエールである。部長職とは、自分で仕事の結果も出し、そして部下のマネジメントもするというブラックなダブルワークの総称である。率先して、競合ひしめく戦場へ新規案件の獲得へ赴き、獲った仕事は、無事に納品できるように進行をプロデュースし、同時に「おれ、腹落ちできないと動けないんすよね」が口癖の部下のモチベーション管理を行い、スキル皆無なのに自己評価が異様に高い新人をヨイショする。
私も零細企業の社長であるので、その気持ちはわかるつもりだ。もういい年だから、涙は出ないものの、ストレスで毛髪が涙のようにハラハラと落ちてしまうのを感じる。いや、私の頭皮の話はどうでもいいのだ! 今回は一見ダメに見える営業部長を、スター営業部長へと勝手に“ニュース性”でテコ入れするのである。
営業とマネジメントの“コトバ”にニュース性のスパイスを
基本的に営業もマネジメントも「人の心を動かし、行動させること」が重要である。仕事とはこの連続である、人間関係が最もストレスがたまる、だからどんどん禿げ上がってしまうのだ。これ以上禿げ上がらないために、取引先や部下に響く“コトバ”が重要である。
『漫然と口に物を運ぶな。何を前にし、何を食べているのか意識しろ。それが命 喰う者に課せられた責任。義務と知れ』これは、地上最強の生物・範馬勇次郎の名言であるが、これにならってダメ営業部長に告ぐ『漫然とコトバを発するな、商品案内のダイレクトメールや営業資料、部下への声掛けにニュース性を意識しろ』。さぁ、この言葉を実践してみよう。
どんな商品にも日本初、業界初の“唯一性”があると思い込む
プロモーションのアイデアや、メールタイトルの一つひとつをコピーライティングせよ、というのは博報堂の先輩の教えだったが、広告代理店視点では、コトバはコピーライティングすることで輝く。そしてPR視点で考えればコトバに日本初・業界初の“唯一性”というニュース性を与えることで誰もが着目する輝きを帯びるのだ。
私は基本的に、どんな人間も、どんな商品も、ユニークな個性=“唯一性”があると思い込むことにしている。例えば、私がお手伝いした仕事に、世界初のスーツ型作業着『ワークウェアスーツ』がある。この商品はデザインや機能が世界初だったのではなく、このスーツを着ると従業員の言動がスマートになったり、身なりが整う心理学でいう“ドレス効果”という現象が起きたため、世界初“意識を変える”作業着として、唯一性の要素を見出した。
