2年ぶりのリアルもある2022年CESは、北米(ラスベガス)時間で1月5日〜1月7日の3日間にわたって開催され、世界中から2200社以上の出展、40以上のオンラインをライブストリーミングが予定されている。
CESでは、スマート家電に始まり、モバイル、自動車、ロボティクス、IoT、AI、XRなど、先端的な取り組みに触れることができる。テクノロジーは、企業活動、ライフスタイル、そして持続可能な社会を考える上で、もっとも重要な変化への影響を持ちます。米国を中心とした先端企業の発信は、マーケターにとっても注目すべきことが多くあるのではないだろうか。
CES2022オンライン参加レポートの第2弾は、現地時間で1月4日に実施されたSamsung(サムスン)の基調講演にフォーカスを当てたい。筆者はかなり以前からサムスンの基調講演は、日本のマーケターにとって多くの学びがあるプレゼンテーションだと思っている。特に注目しているのは大きく次の4点である。
1つ目に、時代の潮流や市場や社会の要請を軸にプレゼンテーションのストーリーを組み立ている点。
2つ目に、自社が目指すべき中長期的な“ありたき姿”を示し、なおかつ数字で示している点。この“ありたき姿2を示す際には、多くの場合において過去の過去・現在の取り組み・未来という流れを組んでいる。
3つ目に、ストーリーの出口としてのファクト(製品・サービス・アライアンス)を提示していること。
そして、最後の4つ目はこれら全てを訴求するクリエーティブ表現の質の高さだ。コピーと映像、そしてプレゼンテーションの一体感、高いブランド体験と機能的な情報発信を両立させ、全体としてのストーリーを形づくっている。それが、きちんと彼らが提供する白物家電や新しいガジェットにつながっているからスゴイ。
サムスンの基調講演は、大抵YouTubeなどに投稿されるので、読者の皆さまにはこの記事と合わせて是非とも4つの視点で映像をご覧なられることをおすすめしたい。
パンデミックがイノベーションを加速
サムスンが今年、掲げたテーマはサスティナビリティ
今年のサムスンの基調講演では、サスティナビリティがプレゼンテーションのかなりの割合を割いていた。サムスンの新しい新製品は別の記事に任せるとして、本稿で基調講演を通して、サムスンが掲げるサスティナビリティへの対応を中心にレポートする。
基調講演にはVice Chairman and CEO Samsung ElectronicsのJH Han氏が登壇した。Han氏は基調講演の冒頭で、「環境への影響を最小限に抑えるために、企業としての活動の半分をサスティナビリティに向けている」と訴え、環境への取り組みが取り組みの優先事項であることを説明した。