動画にコンテンツを合成するフジテレビの「iCADs」ドラマで実証実験

フジテレビは2月26日放映のドラマ内で、イギリスのMIRRIAD社と共同で開発した新サービス「iCADs(アイキャズ)」の実証実験を行う。

配信コンテンツ向け広告情報サービス「iCADs」は、“in Contents Ads”の略称で、動画内に広告情報を付与するAVOD(広告情報付き無料動画配信)の新しい形。フジテレビが、デジタル・プレイスメントの専門会社MIRRIAD社と共同で、サービス開始を目指している。

通常のAVODは、動画の前後や途中にインストリーム広告が入る構造となっているが、iCADsでは動画本編に看板などの広告情報や商品情報を合成することで、コンテンツを途切れることなく一気に見ることが可能となる。

同サービスは、映画や配信コンテンツなどでは映像内に商品情報などを露出させ、その商品情報の認知度やブランドイメージの向上をはかる、プロダクトプレイスメントのひとつと言える。従来は収録の際に実際に商品などを置く方法がほとんどであり、商品情報の露出チェックとコンテンツ制作進行のバッティング、露出量のコントロールの難しさ、また後年の削除の難しさなど様々な課題があった。近年のデジタル合成処理により、それらの課題は解決できるようになりつつあるものの、費用や期間など大きな負担がかかっている。

「iCADs」では、AI技術の活用によりこれらの作業を数日間で行うことができる上、カメラの動き・背景・露出時間などを自動解析することで最適なプレイスメントを提案することも可能となっている。

iCADsのイメージ

合成用素材には、例えばマグカップやボトルなどの3DCGやポスター画像を用意。形状などに応じて、合成可能なシーンが提案される。この時、登場人物の表情やシーンを解析し、ネガティブなシーンやクライマックスのシーンには載せないといった判断も可能だという。

今回の実証実験では、SDGs関連ドラマ『木のストロー』(フジテレビ・関東ローカル)の地上波放送の終了後、TVerとFOD(フジテレビオンデマンド)で「地上波オリジナル版」とiCADsを利用した「iCADs版」の両方を配信する。

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