個人について知らなくても集団の動きは予測できる パーコレーション理論がデータ利活用に規制のある時代にマーケターに与えるヒント

パーコレーションクラスター3つの戦略

オンライン上のパーコレーションクラスターによる把握と分析は、テロ攻撃を予測できるだけでなく、それを防ぐ戦略も合わせて示しています。

  • 1. すべてのオンラインの行動を見る必要はなく、一部の少数の集団に注目するほうが効率が良い。
  • 2. 最も影響力が高い「スーパースプレッダー」をアルゴリズムにより特定し、そこに打撃を与えるほうが効果的である。(ちなみにスーパースプレッダーは最もリンクが多いノードとは限らない。つまりフォロワーが最大数であるソーシャルメディアアカウントがスーパースプレッダーとは限らない。)
  • 3. クラスターが解散するフラグメンテーション率を高める。森林火災の際に、野焼きのように木を火災の閾値から引き離すように、ネットワークを伝播しやすそうな元から分離すること。

反ワクチン派の広がりは制御パラメータが優位なため

ジョンソン教授は(現在ジョージワシントン大学に在籍中)、新型コロナウイルスに対する「反ワクチン運動」に関するフェイスブック上での広がりについての論文を2020年に発表しています。そこでは、パーコレーションクラスターの捉え方で、なぜ北米のフェイスブック上で「反ワクチンのデマ」が広がっているかを指摘しています(ニューズウィーク 2020年5月19日松岡由希子「反ワクチン派がフェイスブック上で優勢となっている理由が明らかに」)。

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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