昨今、企業に求められるSDGsなどの、サステナブルアクション。しかし、従業員一人ひとりが自分ごと化できず、思うように進まないケースも多く聞かれます。本記事では、従業員の意識を変容させたり、分かりやすく取り組みを社外に発信していくための、「共感」を呼ぶストーリーづくりについて考えます。
※本記事は『広報会議』2022年6月号の転載記事です。
※本記事は『広報会議』2022年6月号の転載記事です。
SDGsテーマ、とりわけサステナブルアクションは、現代の企業・ブランドにおける重要なミッションとなりつつある。この世界で経済活動を行う主体であるならば、自社利益のことだけではなく、「地球」という“巨大な我が家”のことを常に考えながらその活動を行っていかなくてはならない。
一方で、これらのテーマはその重要性と裏腹に、個人へとレイヤーを落としていく際には、常に「自分ごと化」という壁にぶち当たる。まさに「大切なことだとは分かっているが、行動にまでは移さない」というマジョリティマインドとの戦いだ。
人を動かす“ポイント”を探る
私は広告会社のクリエイティブディレクターとして、多くの地域創生プロジェクトの立ち上げに携わってきた。市民や地域を動かさなくてはならない課題と向き合う中で最も重要に感じているのが、この「共感の深度を見つける」ことである。「人の心を動かす」ためには、「共感を生み出すこと」が必須条件だ。ここで言う「共感の深度を見つける」というのは、簡単に言えば、共感を生み出すためのテーマを、あえて「深くする」こと、または「浅くする」ことで、人々の心が動く “絶妙なポイント” を見つけていくアプロ ーチのことだ。