2015年の社長交代を機に、大きく働き方改革へと舵をきったジャパネットホールディングス。従前は「長時間働くのが当たり前」の風土があったというが、改善に向けどのように制度を整えていったか。コミュニケーションのポイントを聞いた。
※本記事は『広報会議』2022年7月号の転載記事です。
テレビショッピングで知られるジャパネットホールディングスでは、カリスマ経営者と呼ばれた創業者の髙田明氏が2015年に退任。代わって社長に就任した髙田旭人氏は、ただちに働き方改革に着手した。「からだの汗をかくより、頭の汗をかく」という方針の下、まずは、深夜過ぎまで猛烈に働くことが常態化していた従前の風土を一新した。
常態化した悪習をどう変えるか
まずは週に1日「ノー残業デー」を設定(現在は週3日)し、その他の日も22時までに退社しないといけないというルールを決めた(現在は20時半)。さらに社員数を増やし、デスクト ップPCをノートPCに切り替え、WiFi環境を整備。書類をしまう・探すというムダを省くべく、デスクの引き出しを撤去し、代わりにBOXが1個とPCの入る個人キャビネットを用意するなど、社内環境も整えた。
「会社は、人生の大部分を占める場所。だからこそ、従業員は心もからだも健康な状態でいきいきと楽しく働いて欲しい」。旭人社長のそんな想いを社内に伝え、健康管理に力を入れ始めたのは2017年ごろだ。健康診断時に、会社全額負担でオプション健診をつけられる仕組みを追加した。「タニタの健康プログラム」も採用。一人ひとりに歩数計を渡した上で、歩くイベントを実施するなど、従業員の運動習慣づくりをサポートしている。オフィスには、体組成計と血圧計を設置。測定結果を健康管理サイトに転送すると、数値やデータを確認できるようにした。
