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井口理×本田哲也「パブリックリレーションズ」の定義の進化を期待
本田
前回の井口理さんとの対談でも話しましたが、現時点で個人的には「パーパス(社会的存在意義)」がある活動か?などこれまでの審査で大事にしてきている点も重要ですし、もちろん「クリエイティビティ」も重要な評価ポイントです。
パーパスが注目される今は、みんなそれらしいアプローチはします。ただ、そこでかなり抜けているのが、なぜその企業か、そのブランドなのかという正当性(オーセンティシティ)です。今回はそのオーセンティックかどうか?を少し気をつけて評価したいと思っています。
裏を返すと、まだ道半ばでもその企業らしさとか、そのブランドらしいことをやっている自負があるならば、ぜひエントリーしてくださいということです。そういうことを前回の対談では話しました。
根本
実務家の立場として、PRアワードグランプリは時代を現す鏡だと思っていたので、エントリーを見て、時代の変化、時代や社会と企業の関係性の変化を知ることで、現在地の確認をしていました。
牧
私は今までPRアワードにはエントリーしたことはないのですが、自分なりの視点でお話をさせていただきますと、仕事としてPRを長年やっており、数年前からSDGsの社内プロジェクトにも関わっています。そのためPRに限らず、コミュニケーションでできることは、まだまだたくさんあると思っています。今「SDGsやってます訴求」みたいなものがすごく多いなかで、そういうことよりもコミュニケーションを通じて、本質的な課題解決にチャレンジしているものがエントリーしてくるのを楽しみにしています。
今年からエントリーカテゴリーを分けなくなった意味
本田
ここ2~3年でPRアワードを3つのカテゴリーで分けることがどんどんナンセンスになってきました。特に現場でやられているお二人には分かると思いますが、あえて言えばコーポレート・コミュニケーションだけど商品ブランドも関与するとか、あえて言えばマーケティングを目的にはしているけど、コーポレートブランドも関係なくはないとか……どんどん溶け合ってきているというか。ソーシャルグッドはその最たるもので、そういう要素を含まないものは、どんどん世界的にも少なくなってきている。だから昔みたいに単一のエントリーカテゴリーとして存在していると気持ち悪くなってきたんですね。
