100年続く書店をつくるための工夫とは
――もともとはオンライン古書店としてスタートし、2013年白山で実店舗をオープン。その2年後に現在の赤坂に移店されましたが、場所を選ぶ際の決め手などはあったのでしょうか。
白山でお借りしていた物件のオーナーが建物を手放すことになったことがきっかけで移転が決まりました。赤坂には会社が多くありますし、アクセスが良い。多くの人が来店しやすい場所がいいなとは考えていたので、今の場所を選びました。実は特にこれといった理由はないんです(笑)。
コロナ禍でほかの駅から赤坂に訪れる人が減った一方で、町内会の人とのコミュニケーションが増えたと感じています。これからは地域密着型書店として、赤坂の人にふらっと立ち寄ってもらえるような書店づくりもしていきたいなと思っています。最近ではボードゲーム会などのイベントも開催しています。
――15時から20時が開店時間ですが、これはなぜ?
当店は水・木・金・土の15時から20時しか営業していません。私は書店の営業以外に、他の仕事もしているので、その中で無理なく営業できる時間帯として現在の時間帯を選びました。これは白山での開店当初から変わっていません。
開店当初から「双子のライオン堂を100年続く書店にしたい」という思いでやってきました。どうしたら長く自分の書店を続けていけるのか考えたときに、書店の売上だけに頼るのは違うと感じていました。今回のコロナといった突然のこともありますし、私自身にもいつ何が起こるか分からない。どんな状況にも対応できるような経営スタイルをと考えた結果、書店経営以外の業務も行えるような現在の形態になりました。
他書店さんではお昼がにぎわうといったこともよく聞きますが、うちの書店ではそもそも15時からしか開いていませんからね。特定の時間がにぎわうといったことはあまりないですが、会社帰りの方が多くいらっしゃる気がしています。白山時代からの常連さんもよく来てくれていますね。
ここでしか出合えないプロが選んだ書籍
――店舗づくりにおいて何かこだわっているところはありますか。
まずは店舗の入り口が「本」になっているところですかね。本の世界に飛び込むような気持ちになってもらえればなと思って設計しました。
店舗内は、とにかくできるだけ多くの書籍を置くことにこだわっています。カテゴリごとに整理整頓されていた方がお目当てのものは探しやすいとは思うんですが、当店を訪れる人には新しい書籍との出合いを楽しんでほしいと思っています。

