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ヤッホーブルーイング広報が考える、AI時代の広報に必要な「仮説思考」

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様々な領域で活用が進む「生成AI」を、広報ではどのように活用できるのでしょうか。『広報会議』では、8月号(6月30日発売)から、新連載「AIで変わる広報業務」を開始しました。第1回目はヤッホーブルーイングの事例を紹介。ここでは、本誌の内容を紹介します。

※本記事は、『広報会議』8月号(6月30日発売予定)の転載記事です。

自社の文章テイストに沿ったプロンプトを検証

ヤッホーブルーイングは5月上旬から約1カ月間にわたり、ChatGPTの検証プロジェクトを実施。有志で集まった9名の社員が具体的な活用事例を検討するとともに、ChatGPTの得意・不得意な領域を検証した。

検証分野は、製造、マーケティング、営業、物流、通販、顧客対応、そして広報と、多岐にわたっている。プロジェクト期間中は、入力データがAIの学習に活用されない有料の法人サービスを使用しており、プロジェクトメンバーにのみアカウントが付与される。

同社のヤッホー広め隊(広報)でユニットディレクターを務める渡部翔一氏は、広報業務でのChatGPT活用を検証すべく、プロジェクトに参加。広報業務での活用において、渡部氏は現段階では、情報収集(検索)よりも、「入力した情報の要約」や「文章を体系的に理解し、組みなおす力」にChatGPTの強みを感じているという。

「プレスリリースのタイトル作成は、有効だと感じた使い方のひとつです。『タイトル出し100本ノック』のような、人間が行うには時間がかかる業務を行わせるのも良いですが、私はそれよりも何かしらの“切り口”や“条件”を明示し、そこから分岐させていく方がバラエティに富んだ回答を得やすいように感じています」と渡部氏。

写真 データ プロント例

【図】渡部氏の活用プロンプト例

 

【図】のように、読み手となるマスメディアの記者を意識し「メディアのジャンル別」でタイトルを考えるよう指示を出すことで、新しい切り口を得られたという。

また、ユニットディレクターとしてメンバーが作成したプレスリリース等の校正を行う渡部氏は、自身と同様の校正をChatGPTが行えないか検証を進めている。

「企業によって校正のニュアンスは異なります。その点、ChatGPTの出力文はプロンプトで変化するので、例えば私と同じ感覚で校正を行うプロンプトがあれば、最終的には私がチェックするにしても、修正を入れる箇所は減り、校正にかかる時間を削減できます」と考えを話す。

広報業務における生成AI活用が普及した場合、広報パーソンに求められるスキルはどのように変化するのか?
渡部氏は、①文章力、②仮説思考がこれまで以上に重要な能力になるのではないかと考えを話す。

「文章をAIが作成してくれるようになった場合、人間は『その文章の良し悪し』をジャッジするため、今以上に文章力が求められると思います。また、AIに指示をする際に『このプロンプトだと、このような回答が出てくるのではないか』という仮説を立てて実行を繰り返すことが、AIを使いこなす近道だと思うので、仮説思考も重要になります。AIに依存する人と、ツールだと割り切って自身の能力も磨き続けていく人とで、今後は成長の二極化が生まれるのではないでしょうか」(渡部氏)。

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