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コラム

全従業員が自信を持って働くための「広報思考」

4年間配信し続けた週次報告書 広報の目的・価値を社内に伝える

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【前回はこちら】会社初の広報担当として入社 面接で社長に伝えた「広報の役割」

こんにちは。アークランドサービスホールディングス 広報の鈴木です。

第4回のコラムでは、広報文化がないところに広報の重要さを伝え、広報を浸透させていく方法を私の経験に基づいて振り返りました。第5回となる今回は、“ひとり広報”から“組織”にするための課題について書いていこうと思います。

週次の報告書を自主的に配信

2019年の8月に初の広報専任者として入社した私は、まず広報の重要さが浸透するように、自分の立場の押しつけではなく相手の立場になって傾聴し、“広報”という新しい役割に対する社内の不安が解消できることはなにかと考えました。

ひとり広報の時には、理解を得られずになにか不穏な空気になったとしても、すべて自分が飲み込めばその場は収まるかもしれません(飲み込めるタイプではありませんが)。しかし、組織にしていくとなると一緒に働く仲間も、その他の社内の方々も気持ちよく働けません。

そこで、広報の業務内容を改めて整理していたところ、ふと、はたから見れば思い付きでプレスリリースや公式アカウントの投稿をしている気ままな仕事に見えるかもしれない…と考えました。そのため、誰からも求められていないのに週次で報告書をつくり部門長へ送付するようになりました。数字を読むのが得意な方々なので、これならご理解いただけるかも!と思ったからです。

毎週水曜日締めで週末までに報告をするのですが、始めてからこれまで、項目の変更はありましたが欠かさず実施し続けており、現在は5項目を報告しています。それぞれの項目を報告している目的とあわせて整理すると次のようになります。

①公式アカウントのフォロワー数、投稿数、インプレッション数、リーチ数

フォロワー数は分かりやすいため会話に上がりやすいのですが、インプレッション数やリーチ数はフォロワー数に比例しないことを認識してほしくて報告項目にしています。また、どんなに数多く投稿しても見られていなければ意味がないので、ただ投稿数を増やせと言われないように投稿数とインプレッション数やリーチ数を記載しています。

②ブランドサイトと店舗検索サイトの総ユーザー数と新規ユーザー数、表示回数

ウェブサイトのリニューアルも担当させてもらったので、リリース配信時や露出があった際にどのような影響があるのかを一目で分かるように報告しています。

③ブランドごとのプレスリリース配信数、PV数、UU数

プレスリリースは配信するだけでは意味がなく、まず見てもらうことでその役割を果たす機会を手にします。それがどれくらいの影響があるのかを数値で示しています。

④ブランドごとの掲載実績

認知拡大を前提として、そこからの想起で目指す姿の通りに認識されるように情報を整えて発信した結果、どのように受け止められているのか答え合わせのひとつとしています。

⑤プレスリリース配信予定と進捗

今後、何をする予定でどの状態なのかを報告することで関連部署の方が先を見通せるようにしています。

報告をし始めたら、「項目の見方がわからないから教えてほしい」と社長から質問をいただいたり、PV数が跳ねると「今回すごかったね」とお声かけいただくことがあったり、見ていない人の方が多いと思いますが、興味がある人は見てくれているというだけでとりあえずOKにしました。

加えて、毎回変わらず報告書に記載しているのはこちらの「広報の役割」です。


写真 データ 広報の役割と目的、手段

限られた時間の中で、やらなければならない事とやりたい事をやっていると、何のためにやっているのか見失ってしまいそうになる時があります。その度に、これは何のためにやっているのか、何を目指しているのか自分自身の確認と説明することがブレないようにしています。

“ひとり”と“チーム”の違い

M&Aにより広報担当者が増えて2名チームになった時も、自分で抱えていることが多すぎて懐からこぼれ落ちそうになっている時に社長がメンバーを1名増やしてくれた時も、会社と約束している自分たちの役割が何であるのか。これを見失わないように気を付けました。

ひとり広報から組織化に至った経緯は、結果としてはM&Aや自分のキャパシティ不足でしたが、私が経験したことから言えるのは「ひとり広報」で見ていた景色と、チームになってから見る景色は良い意味で全然違います。

ひとりでできることは、人間誰しも1日24時間で平等なので限りがありますが、チームになるとただの足し算ではなく、かけ算になります。ただし、それぞれの得意なことが活かされ、尊重し合えるメンバーであることが前提条件です。

現状の3名体制で担う広報は、得意不得意が明確でお互いに尊重し合えるメンバーだなと感じています。そんなメンバーの中でも、2023年10月に入社した後輩は、広報も飲食業界も未経験で仲間入りしました。

次回は、そんな後輩へ仕事をどのようにお任せしているか等、かかわり方についてもお伝えしていきたいと思います。

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写真 人物 アークランドサービスホールディングス 鈴木恵美

アークランドサービスホールディングス
社長室 広報 次長代理
鈴木恵美

食に興味があり、学生時代に栄養士免許を取得。2004年に新卒で入社した弁当・惣菜チェーンでは、10年の店舗運営を経て社長秘書と能動的な広報の立ち上げを担う。プレスリリース配信やユーザー視点のウェブサイトリニューアルなど、企業やブランド認知向上に努める。2019年8月アークランドサービスホールディングスに入社。世の中に必要とされる企業を目指して、ブランドロイヤルティを高める役割として奮闘中。