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コラム

全従業員が自信を持って働くための「広報思考」

広報未経験の後輩が入社 最初に決めた「6カ月後に目指す姿」

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【前回はこちら】4年間配信し続けた週次報告書 広報の目的・価値を社内に伝える

こんにちは。アークランドサービスホールディングス 広報の鈴木です。

第5回のコラムでは、ひとり広報から組織にするために取り組んだことをお伝えしましたが、最終回となる今回は組織を拡大していくにあたり重要になる人材育成の話しをします。業界・職種共に未経験で入社した後輩とかかわりの中で感じた私の実体験をもとに書いていこうと思います。

面接の際にとても前向きな姿勢で広報への期待を話してくれた後輩は、飲食業界も広報という職種も未経験でした。

そこで、入社から半年後に目指す姿を決めて、前回お伝えしたアークランドサービスホールディングスに所属する広報の役割や求められていることを理解してもらうことから始めました。

段階的なインプット&アウトプットで自社と広報について学ぶ

目指す姿を決めたのちに、インプットとアウトプットのバランスを設定。インプットしたことを、どのようにアウトプットするか考えました。

まずインプットでは、商品の試作会に参加してもらい「おいしい」のは当たり前として、誰のための商品でどのようなシーンで利用されるのか考えてもらいました。試作会はホールディングスや事業会社の社長、営業の責任者が出席しているので短時間で理解が深まる貴重な時間です。

そして、本社の会議室で議論していることは、実際の店舗ではお客さまがどのように捉えているのかを体感してもらうために、入社して1カ月は店舗に行き、その店舗は誰のためにあって、その人にとって利用したい店になっているのかを考えてもらいました。

そして、「おいしい」のは当たり前として、それ以外に伝えたい価値は何かを自身で考えるために、店舗に行って経験したことを各ブランドの責任者や商品開発者へ報告してもらいました。

店舗に足を運び、食事もして利用者の立場で自社を見ることを徹底したら、次のステップとして言語化して伝わるように伝える手段に移ります。

いきなりプレスリリースを書くとなると、それに費やす時間で他のことを経験する機会を失ってしまうので、まずはGoogleビジネスプロフィールとInstagramの投稿を担当してもらいました。

画像と適度な文字量でブランドについて伝わるように言語化することから始め、慣れてきたところで140文字という少ない文字量で伝わるよう発信するX(旧Twitter)の投稿を担当することで、シーンに合わせて伝わるコミュニケーションの訓練をしています。

投稿の頻度については以下の3つをマストとしました。

  • ①新商品・新店舗リリース時
  • ②新商品販売開始時
  • ③終了間近

3つに絞った理由は、投稿をすることが目的ではなく、会社のことを理解して伝わるように言語化することを目指していたからです。

インプットとアプトプットのステップ

次に、報告方法です。内容は下記のように設定し、事実と感情を明確に区別できるようにしました。

・定量的な報告:週報
前回のコラム でお伝えした週次報告書に記載する項目で、数値化できる内容。
・定性的な報告:日報
→その日の業務で自分が感じることの変化を振り返れる内容。

この分け方をした理由は、自身の感情を失くす必要はないのでそれはそれで尊重して共有してもらい、一方で数値に現れることを事実として受け止め、改善行動に向き合ってもらえるようにしたかったからです。

転職・複業という新たな挑戦

このようなステップを踏みながら入社して6カ月目を迎えた後輩は、日に日に増えてくる仕事量にも負けず、計画的な業務と突発的な業務でペースを掴みにくくなりつつも優先順位の判断も身に着けながら、対応できる項目が増え、入社時に目指した6か月後の姿に近づいています。今後の見通しとしては、年内にプレスリリースをかけるようになることを目指しています。

そんな心強い後輩が入社してくれたことで、私にも変化がありました。

ひとり広報からスタートして、会社が変化し成長し続けるのと同様に広報という役割が果たすことも変化していかなければならない中で、私自身はこのままで良いのかと考えることが増えてきました。

これまで経験してきたことのストックだけではなく、これからも会社に貢献できる広報としての経験をもっと積みたいという願望が強くなりました。

しかし、当社では複業が規定で認められておらず、どのように経験を積むかと考えた時に現状では経験できない仕事ができる企業へ転職をし、アークランドサービスホールディングスを複業先にすることで今後も貢献できるのではないかと考えました。

考えを口にし始めたら、タイミングよくその願望が叶う貴重な機会をいただいたので、この3月から新たな挑戦をすることになりました。

本当に貢献できるのか、自分の無力さに打ちひしがれるのかはまだ始めたばかりなので分かりませんが、せっかくの挑戦なので転職先での新しい仕事も、とことんやってみようと思います。

M&Aで仲間入りした1名と後輩の2名は、企業に所属する広報として。私は、社内での経験を活かしつつ、新たな環境で経験したことを社内に還元する役割として、広報の役割を果たしていきますので、今後の動向も楽しみにしていただけたら嬉しいです。

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写真 人物 アークランドサービスホールディングス 鈴木恵美

アークランドサービスホールディングス
社長室 広報 次長代理
鈴木恵美

食に興味があり、学生時代に栄養士免許を取得。2004年に新卒で入社した弁当・惣菜チェーンでは、10年の店舗運営を経て社長秘書と能動的な広報の立ち上げを担う。プレスリリース配信やユーザー視点のウェブサイトリニューアルなど、企業やブランド認知向上に努める。2019年8月アークランドサービスホールディングスに入社。世の中に必要とされる企業を目指して、ブランドロイヤルティを高める役割として奮闘中。