目指すは「伝統校のアップデート」 下妻一高の校長としての新年度が始まった!

1年間の副校長を経て、今年の4月から茨城県の下妻一高の校長に就任しましたが、校長になると始業式・入学式・PTA総会など、各種のイベントで皆さんの前で話をする機会がとても多くなりました。今回民間企業から校長に赴任し、かつ期首初めですので、私がどのような学校作りをしていくのか、教員や保護者の関心が高いと感じます。


写真 茨城県の下妻一高集会の様子

そこで、最近は私が24年勤めた花王を辞めてまでも挑戦してみたい学校経営方針を様々な場面で伝えたり、茨城県内の県西地区教育委員会及び教育長のもとへお伺いして直接説明させてもらうなど、学校代表の営業担当としても活動しています。

私が目指す学校作りの方向性のひとつには、時代の変化に対応した伝統校のアップデートがあります。具体的には校長1年目としては下記3点を重点活動として取り組んでいくことを宣言しています。

1、伝統を守りながら新たな事に挑戦する二刀流の学校作り

2、時代の変化に対応し、顧客満足NO.1の学校経営を目指す

※顧客とは、生徒・保護者・教員・学校関係者を指します

3、失敗を恐れず、果敢に挑戦できる学校作り

「二刀流の学校作り」は、私が早稲田大学社会人MBAで学んだ両利きの経営学を取り入れています。新しく取り入れる実験と行動(知の探索)の部分は、アントレプレナーシップ教育とデジタルトランスフォーメーションです。

イノベーションのジレンマに陥らないように、校長である私がしっかりリーダーシップを持って取り組まねばならないと思っています。

またアントレプレナーシップ教育の推進として取り組んでいくことは、総合的な探究授業の更なる進化です。4月18日には総合的な探究授業のキックオフとして、これから学ぶ探究授業の背景や、社会に出て必要なスキルについて話をしました。

私からは生徒に身につけて欲しい力として、「先を見る力、予測する力」「課題を設定する能力」「課題解決ための着眼点と構想力」「構想を実現する為のリーダーシップ」「人を巻き込める力(ネットワーク力)」を挙げました。この能力は、前職の花王時代においても、社内を切り開く力としてとても大切なものです。

総合的な探究の時間は、これらの能力を訓練する時間であり、VUCA時代を生き抜くための必要な力として身につけて欲しいと願っております。そして、これらを成し遂げる為に必要なマインドセットが、「アントレプレナーシップ精神」であることを、私の今までの経験をもとに具体的な事例を用いて語らせてもらいました。


写真 人物 集会の様子

これから探究授業を進めていくにあたり、生徒がプレゼンテーションできる、アウトプットの環境を2つほど設定しました。ひとつ目は、校外のビジネスイベントであるIBARAKIドリームパス事業への参加です。この事業は任意参加で選抜エントリー型となっており、教育委員会から各学校1チームはエントリーする事を推奨しています。

昨年の最終選考会には外部審査員として、メルカリの小泉会長や茨城県教育委員会の教育長が最終審査会にご出席されました。生徒はそこでプレゼンテーションを行いますので、1年間の成果を発表するには大きな舞台となります。2つ目は、2月中旬に予定している校内の探究成果発表会です。全員参加型のゼミ形式で体育館を使って成果発表を行います。

この2つのアウトプットの環境を準備して、探究授業に取り組んで行くことになります。本校では昨年から、外部企業や下妻市役所の行政の方々とも連携し、学校と企業と行政が一緒になって、これからの社会課題の設定と解決方法について考えてきました。今年度はさらにこの活動の磨き上げを行います。

また、今年の4月から本校は文部科学省が認定するDXハイスクールに採択されました。本校の目標はデジタルを活用した文理横断型の探究的な学びです。

私の現段階での構想は、昨年から大変お世話になっている楽天さんとの取り組みを進化させ、1億IDを超えるビッグデータによるデータ分析にもとづいた、課題解決の学びの実践、そして将来のデータサイエンティストなどデジタル人材の輩出に繋がると考えていおります。これからこの構想を実現できるように取り組んでいきます。

生徒たちに対しては、18のゼミテーマから自分の取り組みたい分野を設定し、社会課題を解決する「妻一探究」が行われます。生徒をバックアップする教員探究部のチームワークもよく、盛り上げ策として、妻一探究部のロゴを作成するほど盛り上がっています。

このロゴは、挑戦=ファーストペンギンとスクールカラーの紫を掛け合わせたコンセプトで、高校3年生の担任が作成してくれました。

この総合的な探究授業は、どの学校も指導方法ややり方も様々で、これから作り上げていく発展途上の市場です。本校の土台を作ってくれた昨年の先生方のバトンを受け取り、学校のトップとしてしっかりとしたリーダーシップを発揮し、探究部の先生方と一緒に盛り上げていきたいと思います。

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生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)
生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)

花王の販売子会社に入社し、営業部門で大手流通チェーンを担当。ヘアケアブランドのマーケティングを担当した後、2015年にECの営業マネジャーとなり、花王のECビジネスを推進。2018年に全社DX推進をするプロジェクト型組織の先端技術戦略室に異動。2021年にDX戦略推進センターを設立、全社DX戦略を担当した。過去3度、社長賞を獲得。花王グループのDXを推進し、ECビジネスの構築などの推進役を担う。

2023年に茨城県とエン・ジャパンが実施した「ソーシャルインパクト採用」において、茨城県内の中高一貫校・専門高校の「校長」を教員免許不問で公募するプロジェクトに応募。1645人の応募者のなかから選ばれ、花王を退職して2023年4月から民間出身者の校長として茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校に着任。

生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)

花王の販売子会社に入社し、営業部門で大手流通チェーンを担当。ヘアケアブランドのマーケティングを担当した後、2015年にECの営業マネジャーとなり、花王のECビジネスを推進。2018年に全社DX推進をするプロジェクト型組織の先端技術戦略室に異動。2021年にDX戦略推進センターを設立、全社DX戦略を担当した。過去3度、社長賞を獲得。花王グループのDXを推進し、ECビジネスの構築などの推進役を担う。

2023年に茨城県とエン・ジャパンが実施した「ソーシャルインパクト採用」において、茨城県内の中高一貫校・専門高校の「校長」を教員免許不問で公募するプロジェクトに応募。1645人の応募者のなかから選ばれ、花王を退職して2023年4月から民間出身者の校長として茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校に着任。

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