指示していないのに、社員がプ譜で自分のプロジェクトを書きはじめた
——プ譜を導入したときの社員の方々の反応はどうでしたか?
社員に対して「プ譜を使いなさい」と指示を出していたわけではないんです。Excelを使ってガントチャートをつくってもいいし、WBSにしてもいいですよと、プロジェクト管理の方法は強制していませんでした。当時、社員教育の一環で「1年3冊計画」という読書活動を行っており、そのなかで書籍
を紹介したんです。プ譜というものがあるから、これもいいよ、という程度の紹介だったのですが、ほとんど全員が書籍を読んでくれました。しかも、全員が集まってプ譜の書き方を確認し合わなくても、みんながプ譜で自分のプロジェクトを書き始め、すぐにプ譜が使いやすい、こっちの方がいい!というふうになりました。
——実際にプ譜をつかってどのようにプロジェクトを進めているのでしょうか?
弊社内での、目標管理にプ譜を使う具体的な運用手順は以下の通りです。
導入後、プロジェクト実施までのスピード・成功率が共にアップ
——プ譜を導入して以降、どのような変化がありましたか?
まず、スピードです。
プ譜が社内の標準になったことで、プロジェクトが起案され、実行に移るまでのスピードが上がりました
。今まではプロジェクトを始めてみようとなっても、企画書のつくり方は標準化されておらず、それぞれ違いました。慣れていない人だと、企画書をつくる段階で止まってしまったり、時間がかかってしまうことがありました。プ譜導入後は、最初に何かをやろうと考えたとき、まずプ譜で書くようになりました。頭の中のものを早く外に出せるようになったのです。
また、
プ譜で書けば目標と成功の定義が何で、どのようにそれを実現しようとしているのかという起案者の考えがわかります
。プロジェクト申請時に上司や経営者がプ譜を見ることでフィードバックしやすくなりました。同じ絵を見ることで、コミュニケーションがしやすく、早くなったのです。具体化するときの第一歩として、設計図を早く書き、共有できるのがプ譜の価値だと思います。
次に、
プロジェクトの成功率が上がりました
。プロジェクト申請の対話がTeamsで公開され、同じく進捗状況がOneNoteで公開されていることで、周りのサポートを得られやすくなりました。今までは一人で抱えてしまって失敗していたプロジェクトが、同じ部署や他の部署の社員の知恵や手を借りることで、プロジェクトの成功率が上がってきました。
一例として、部門をまたぐ発注情報の共有プロジェクトでは、当初起案者がITを使ってスマートに実現しようと考え、ハードルを上げすぎて頓挫しかけていたところを、別の社員がアナログな方法で解決する案を出してプロジェクトを成功させるということがありました。

