ゴンチャ ジャパンはタピオカブームが去ってもなお、好調な業績を保っている。その背景には、同社 代表取締役社長 角田淳氏の「現場力」があった。
誰かの「楽しい」をつくる 仕事の軸を見つけたあの頃
──2021年にゴンチャ ジャパンの社長に就かれるまで、自動車メーカーやイベント事業でのご経験など、業界を問わずキャリアを積んでいらっしゃる印象です。
社会人として初めて入った会社は大手自動車メーカー。その後は独立して音楽やスポーツのイベントを企画する会社の立ち上げに携わったり、スポーツマーケティングを仕事にしたりと、いろいろな業界を渡り歩いてきました。
その中で気づいたのが、自分自身の仕事への価値観です。音楽もスポーツも、それ自体がもともと好きだったのですが、深く考えてみると、「誰かを楽しませること」が好きなんだと気づきました。それ以来、自分が仕事に打ち込む際は、誰かの「楽しい(fun)」をつくることを軸にしていますし、きっと生業なのだと思います。
ですが、この「楽しいづくり」。まずは自分が楽しまなければ、成し遂げられないと思うのです。例えばアーティストのライブに行ったときに、パフォーマンスしているアーティストがステージの上でつまらなそうにしていると、観客もつまらないはずですよね。スポーツも同じだと思います。だからこそ、まずは自分が楽しむ。社員が楽しむ。これが大事なのです。
その後にサブウェイに入社することになるのですが、きっかけは、トライアスロンのマーケティングに携わっているときに当時のサブウェイの社長に声をかけてもらったことでした。外食産業は初めてでしたが、これがぴったりハマって。というのも、飲食も誰かの「楽しい」を提供するという軸は同じなんですよ。だから私の価値観にマッチしたのだと思います。
──サブウェイは2016年から社長に就任されていますね。
サブウェイの社長になった直後の頃は、あらゆる「火消し」を行っていましたね。まるで消防士みたいに。当時のサブウェイは店舗数も減少し、勢いがなかった時期でした。社内の雰囲気も良いとは言えなかったですね。要は、いろいろなところで改善していかなければならないことが多かったのです。
社員全員の努力があって結果的に立て直すことができましたが、最初の3年間は正直辛かったですね。でも、この経験がゴンチャでも活かされていると感じています。