営業は、さまざまなトークを駆使して商品やサービスの契約へ結びつける仕事です。そしてそれらのトークは、実は営業の台本に沿って繰り出されるものなのです。「お客様が何を話すか、その時になってみないと分からないから、台本を作ることは無理だ」と考える人もいるかもしれません。ですが、お客様の購買心理を突き詰めて考えると、3つ~5つほどの台本を作ることができ、それらの応用によってほとんどの営業活動が網羅できてしまうと、「営業は台本が9割」の著者・加賀田裕之氏は話します。この記事では、営業台本とは何なのか、その作り方のヒントを解説するとともに、学びのヒントが詰まった動画をご紹介します。
営業台本とは何か、なぜ必要なのか
営業台本とは、「自然とお客様の『欲しい』を引き出すもの」と加賀田氏。磨き上げられた営業台本は、お客様の購買心理に基づいた営業トークの体形書です。人がモノを買いたくなるには、買いたくなる原理原則があります。それは5つのステップから成り立っています。
1. 人間関係の構築(心を開く)
2. ニーズの深掘り・ウォンツを描かせる
3. 商品説明(利益・可能性)
4. クロージング(選ばせる)
5. 反論解決
営業台本は、この5つのステップを型に当てはめたものです。
営業台本はなぜ必要なのでしょうか。それは、台本があれば繰り返し改善することができるため、成約率を上げていくことができるからです。成約率を上げる3要素として「誰が話すか」「何を話すか」「どのように話すか」が挙げられます。「誰が」に関しては、もちろん営業であるあなた自身ですが、すぐに人間力の高い営業マンになれるかといえばそうではありません。人間力をあげるには経験や知識の取得など長い時間がかかります。しかし、そんなに待っていられない。となると、残りの2要素である「何を」「どのように」を磨いていくしかありません。
営業台本を作ることはまさに、この「何を話すか」を磨く作業だということです。
ニーズの深掘りには営業台本が役立つ
一昔前のセールスは、上記5ステップのうちクロージングや反論解決を重要視していました。そのため、お客様にイヤと言わせない「ゴリゴリセールス」が多くを占めていましたが、現在は消費者保護やネット普及とともにゴリゴリセールスが成立しなくなってきています。そのため、お客様が自然に欲しいと言ってもらえるよう、人間関係の構築やニーズの深掘りを重視したセールスに移行しなければなりません。そしてこの5つのステップにはいくつかの型があり、その型が営業台本です。

