「文化・歴史への理解不足が大炎上に!」、2024年の広告炎上から学ぶ

SNSの普及により、企業広告の炎上リスクは年々高まっている。特に文化・歴史やルッキズムなど、ダイバーシティに関連したテーマの炎上リスクは大きく、その予防と対策により慎重さが求められる。本稿では、SNS炎上に詳しい国際大学グローバルコミュニケーション・センターの山口真一准教授が、2024年の事例から炎上の予防と対処の実践的手法を考察する。

※本記事は『広報会議』2025年1月号(11月29日発売)特集「危機管理広報 失われた信頼を取り戻す」の転載記事です。

2024年も様々な広告が炎上している。本稿ではいくつかの炎事例を取り上げながら、リスクを予防する方法と、いざ炎上した際の適切な対処方法についての考察する。

「人種差別的」と批判が殺到

Mrs. GREEN APPLEの楽曲「コロンブス」のミュージックビデオが、2024年6月12日に公開された直後から批判を受け、炎上した。

「コロンブス」は、Mrs. GREEN APPLEが、日本コカ・コーラ社による「Coke STUDIO」キャンペーンのために書き下ろした新曲。同曲が流れる「コカ・コーラ」の新テレビCM「Coke STUDIO 魔法のはじまり」編の本編とメイキング映像が、5月31日よりYouTubeで、6月3日よりテレビCMにて放映されており、その後にYouTube上でミュージックビデオが公開された流れだ。

問題となったミュージックビデオは、コロンブスやナポレオンといった歴史上の人物に扮したメンバーが猿の着ぐるみを着た演者にピアノを教えたり、人力車を引かせたりする演出を含んでいた。そのため、先住民を猿に見立てているように見え、人種差別的であるという批判を多く受けたのである。

事態を受け、翌日13日にはミュージックビデオの公開を停止し、レコード会社ユニバーサルミュージックの所属レーベルと所属事務所が連名で、歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現が含まれていたとして、謝罪文を発表した。

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