本記事は月刊『販促会議』1月号の特集「イマーシブ・プロモーション ─没入感をつくる体験設計─」に掲載されている記事の一部を抜粋したものです。全文は本誌からお読みいただけます。
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昨今、多くの企業が「没入」をキーワードにポップアップやイベントを実施している。なぜ今、企業は「没入」をプロモーションの軸に据えるようになったのか。「没入体験」はこれまで企業が提供していた体験や従来のプロモーションとどう異なるのか。ホテルを舞台にした没入型エンターテインメント『泊まれる演劇』などを手掛ける水星の花岡直弥氏が、「没入体験」が流行する理由と、その背景にある企業の戦略を読み解く。
昨今、エンターテインメントや広告、プロモーションなど、国内のクリエイティブ領域において新たなトレンドの一つとして注目されているのが「没入体験(イマーシブ体験)」です。
2024年は、没入をテーマにした大型テーマパークの開業や、企業のプロモーションにおいてもイマーシブ体験を取り入れたイベントが多数開催されるなど、まさに「イマーシブ元年」と呼ぶにふさわしい年となりました。
いち消費者がエンタメの参加者に
まずは、イマーシブ体験を主に「演劇型」と「鑑賞型」の2つに分けて、考えたいと思います。
演劇型は参加者が物語の中に積極的に関与し、ストーリーを進める役割を果たす体験を提供する形式を指します。自分の行動が物語に影響を与えることもあるため、参加者が能動的に参加し、より強い没入効果があるのが特徴です。