大阪・鶴見区にある正和堂書店では、オリジナルデザインのブックカバーが人気だ。2023年からは牛乳石鹼共進社とコラボ。「カウブランド赤箱」(以下、赤箱)のブックカバーとせっけん型のしおりを配布し、SNSでも多くの反響が集まっている。今回、企画者の正和堂書店小西康裕氏、そして製作を担当したDNPエスピーイノベーションの芳本真也氏、牛乳石鹼共進社の石澤知之氏に話を聞いた。
本記事の全文は月刊『販促会議』2025年3月号にてお読みいただけます。
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─赤箱のパッケージを模したブックカバーとせっけん型のしおりが話題を呼びました。なぜ、制作することになったのでしょうか。
小西:当店は、本離れが進む中で来客数を増やそうと、他の書店にはないユニークな取り組みを実施してきました。特に注目を集めたのが、クリームソーダやアイスキャンディなどのオリジナルデザインのブックカバーです。その一環として、牛乳石鹼とのコラボレーションブックカバー、そしてせっけん型のしおりを制作しました。
きっかけは、私が牛乳石鹼のポップアップイベントで、おなじみの赤箱を見て「これをブックカバーにしたらかわいいだろうな」とSNSに投稿したこと。すると、牛乳石鹼の石澤さんがその投稿を見てくださっていて、コラボレーションの話がありました。
石澤:当社はこれまでも地域社会への貢献の一環として、工場がある大阪・鶴見区を盛り上げる活動を行ってきました。そのような背景もあり、地域の方々に喜んでいただくことを目的にコラボレーションを正和堂書店さんに提案しました。
小西:企画は2023年8月からスタートし、これまでに計4回実施。長く続いている販促企画のひとつになっています。ブックカバーをお渡ししているのは、文庫本を購入してくださった方です。また、3回目からはせっけん型のしおりに香りをつけて配布し、好評の声をいただいています。
ブックカバーは赤箱のパッケージをリアルに再現。側面の商品説明部分も実物のようなつくりに仕上げた。また、パッケージに書かれた「Beauty Soap」の文字を「Beauty Book」にアレンジするなど遊び心も。しおりは表面のせっけん部分をこすると香りが広がる仕様。
─香りつきのしおりはDNPエスピーイノベーションの芳本さんが担当されたと聞きました。
芳本:しおりはせっけんを模したデザインに加えて、赤箱で実際に使用している香料を取り入れています。見た目だけでなく香りも楽しめる仕様に仕上げました。工夫したのは香りの“制御”です。香りに敏感なお客さまもいらっしゃるため、小さなカプセルの中に香りの元を封入し、カプセルが潰されない限り香りが出ない設計にすることで、店頭での香りが過度に拡散するのを防げるように製作しました。
小西:最初は赤箱バージョンのみの展開だったのですが、ありがたいことに好評で、次の実施では赤箱と青箱、それぞれのバージョンを制作することになりました。せっけんに実際に使われている香料を使用し、赤箱はやさしいローズ調の香り、青箱はさわやかなジャスミン調の香りに仕上げて、香りの違いを楽しんでいただける仕様にしています。

