イトーヨーカ堂の反転攻勢 子ども心を持つ大人「キダルト」層狙う新業態

「推し活」ニーズで遠距離送客を図る

イトーヨーカ堂は3月5日、原宿・竹下通りにエンタメ特化型店舗「TOYLO MART(トイロマート) 原宿店」をオープンした。店舗面積は約99平方メートル。「サンリオ」や「クレヨンしんちゃん」など、約7000点のキャラクター雑貨を取り揃えている。イトーヨーカ堂は不採算店舗の撤退など構造改革を進める一方、同店を含めた「TOYLO」ブランドを通じて若年層やファミリー層を取り込み、集客力を伸ばす考えだ。

写真 様々なキャラクター雑貨を販売する「TOYLO MART 原宿店」

様々なキャラクター雑貨を販売する「TOYLO MART 原宿店」

イトーヨーカ堂は、コロナ禍による売上減などの影響を受け、2023年に自前のアパレル事業からの撤退を発表。一方でキャラクター雑貨の売上を伸ばしており、2021年4月からは子どもが遊べる場を備えた玩具売り場「TOYLO PARK(トイロパーク)」を展開している。

「トイロパーク」はデジタル技術を取り入れた砂場やボールプールなどのアトラクションが特長だ。少子化やEC市場の成長により、子どもが売り場に足を運ぶ機会が減ったが、週末の公園には多くの子どもが集まっていることに着目し、遊び場としての売り場づくりに踏み切ったという。

来店動機を「商品購入」から「遊ぶ」に切り替えることでファミリー層の集客につながっており、「トイロパーク」導入店舗の売上や客数は1.3倍~1.8倍に成長した。導入施設では食品や医療・住居関連の商品も売上が伸びており、その効果は全体に波及しているという。

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