焼肉業界もインフレ対応 牛角が手頃な価格帯の新セットメニュー発売

「食べ放題」以外の多様な楽しみ方を提案

焼肉チェーン「牛角」は、物価高騰に対応するため、5月29日に手頃な固定価格で注文できる新たなセットメニューを発売する。焼肉チェーンには「食べ放題」のイメージが強いが、近年は量やコストパフォーマンスよりも、「固定価格による安心感」が求められる傾向にシフトしている。こうした変化を踏まえ、固定価格のコース形式による新メニューを導入することとなった。6月2日からは橋本環奈を起用した新CMの放映も予定している。

5種類の肉やデザートなどがそろった「定番焼肉セット」

今回新たに発売するのは「定番焼肉セット」(税込2497円)と「特撰焼肉セット」(同3280円)。2人から注文でき、焼肉の定番部位(タン・カルビなど)5種類の肉に、おつまみ、〆もの、デザートが付いたコース形式となっている。2種類の肉やキッズ盛が含まれた「お子様焼肉セット」(同980円)も用意した。

新商品の開発背景には近年の物価高騰と焼き肉に対する消費者ニーズの変化がある。インフレにより焼肉の主要食材である肉や米などの価格が上昇。特に輸入牛肉は過去4年間で約40%の価格上昇となっている。

変化する「食べ放題」の価値観

レインズインターナショナルの澄川浩太社長

焼肉の定番であった「食べ放題」へのニーズにも変化が見られる。インターネット調査によると、焼肉を食べに行った際の注文スタイルとして「食べ放題」または「その日の気分で決める」と回答した人の割合は約61%と、依然として食べ放題は人気を保っている。一方、食べ放題を選ぶ理由として最も多かったのは「たくさん食べても価格が変わらない安心感」で約70%に達した。

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