「食べ放題」の価値は、「お得感」から「価格が固定されていることによる安心感」へとシフトしていると判断し、今回の新セットを開発。定番焼肉セットの肉の量は約200グラムであり、単品での平均注文量をもとに設定した。食べ放題で見られた「価格に見合った量を食べられない」という悩みを解決している。
固定価格により、従来の単品注文で見られた「合計金額が分かりにくい」という課題にも対応した。食べ放題ではない分、価格を大幅に抑制。家族での外食時における一人当たりの支出が2500円未満であることが多いというデータに基づいた価格設定となっている。東北地方で約7カ月実施したテスト販売では、家族の注文数が約2倍に増加したという。
牛角の平均客単価は3500〜3800円であり、都市部ではより高い傾向にある。食べ放題から新商品にシフトすると客単価は下がるものの、来店頻度の向上やアルコール・ドリンクの追加注文によって、全体として大きく下がることはないとしている。レインズインターナショナルの澄川浩太社長は「『焼き肉は食べ放題』という観念にとらわれず、好きなものや食べたいものを頼んでいただきたい」と話し、多様なニーズに応える考えを示した。
多様なニーズに応える取り組みはすでに始まっており、今年4月からは大皿メニューを展開。「ひとり焼肉」のニーズにも対応するべく、5月7日からは「カルビミックスセット」と「上焼肉セット」の2種類のセット販売も開始した。
牛角を展開するレインズインターナショナル(コロワイドグループ)は1996年に創業し、来年30周年を迎える。現在、全国約500店舗を展開する「牛角」のほか、フードコート専門店の「牛角焼肉食堂」や郊外型の食べ放題専門店「牛角食べ放題専門店」を展開。3業態合計で国内に約600店舗、海外には225店舗を展開している。
注)記事中に記載していた日付に誤りがあったため訂正しました。正確には本文の通り「5月29日 」です。
