発注の「良し」「悪し」「普通」を分けるのは何なのか?

前回

は発注スキルの向上が個々のプロジェクトの成功確率を上げることに繋がるというお話をしました。発注スキルが上がることで、無駄な手戻りがなくなったり、生み出された時間を品質を上げることに充てることができます。これは個々の企業に止まる話題ではなく、すべての業界に共通する普遍的なテーマです。いい発注により、いい受注が増え、よりよい成果が多く生まれることで、国としての競争力や生産性がまだまだ引き上げられるでしょう。

今回は「いい」とは何かを捉えるために、成功と失敗、そしてその間、つまり「普通」という成果に焦点を当ててみましょう。

【普通】予算通りの成果

想定外を起こさず、予定通りの着地をすることが重要視されるプロジェクトです。たとえば宇宙産業や医療など、正確性が求められる場合は特に「

予定通り

」は重要な成果です。誰かが気を利かせて、勝手に予定にないことをしないほうがいいという類ですね。

他方、クリエイティブ産業やマーケティング領域、人材開発など、創造性やジャンプが求められる分野では「予定通りは当たり前」です。もちろん、失敗せずに達成できたことは評価に値しますが、高評価には値しません。なぜなら失敗しないことは、他の人でも代替できることが多いからです。新人の方は、まずは普通の成果を上げることに注力すべきですが、次のステップとして、予定以上の付加価値を産み出し、発注者の社内外での評価を高めていくことを目指しましょう。

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出村光世(Konel・知財図鑑:CEO/プロジェクトデザイナー/知財ハンター)
出村光世(Konel・知財図鑑:CEO/プロジェクトデザイナー/知財ハンター)

1985年石川県金沢市生まれ。2011年アクセンチュアに所属時にKonelを創業。東京、金沢、京都、ミラノを拠点とし、デザイン・研究開発・アートの領域を横断するプロジェクトを推進。2020年、新規事業のための知財データベース「知財図鑑」を立ち上げる。プロジェクトデザイナー/知財ハンターとして分野を超えた未来実装を続けている。J-WAVE(TOKYO MORNING RADIO / INNOVATION WORLD)にてコメンテーターを担当。Red Dot/One Show/D&AD/ACCなど国内外での受賞歴多数。2023年 Forbes Japan NEXT 100に選出。著書に、オープンイノベーションのメソッドをまとめた『妄想と具現 未来事業を導くオープンイノベーション術DUAL-CAST』(日経BP)。プロジェクトリーダーのためのポッドキャスト番組「Project Design Room」を配信中。

出村光世(Konel・知財図鑑:CEO/プロジェクトデザイナー/知財ハンター)

1985年石川県金沢市生まれ。2011年アクセンチュアに所属時にKonelを創業。東京、金沢、京都、ミラノを拠点とし、デザイン・研究開発・アートの領域を横断するプロジェクトを推進。2020年、新規事業のための知財データベース「知財図鑑」を立ち上げる。プロジェクトデザイナー/知財ハンターとして分野を超えた未来実装を続けている。J-WAVE(TOKYO MORNING RADIO / INNOVATION WORLD)にてコメンテーターを担当。Red Dot/One Show/D&AD/ACCなど国内外での受賞歴多数。2023年 Forbes Japan NEXT 100に選出。著書に、オープンイノベーションのメソッドをまとめた『妄想と具現 未来事業を導くオープンイノベーション術DUAL-CAST』(日経BP)。プロジェクトリーダーのためのポッドキャスト番組「Project Design Room」を配信中。

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