“ジャムの会社”という先入観を超える アヲハタ『まるかじゅり』の戦略とは

“ジャムの会社”のイメージを一新するように、アヲハタから登場した冷凍フルーツ『まるかじゅり』。袋のままもんで、食べる──そんな新しい食べ方の提案がSNSで広がり、発売初年度から話題になっている。広告施策に頼らず、生活者の共感と拡散で売れた背景には、「フルーツは好きだけど、面倒」というインサイトに向き合った開発と営業の地道な仕掛けがあった。老舗ブランド・アヲハタが描く、“ジャムの先”の戦略に迫る。

イメージ 商品「まるかじゅり」

アヲハタ「まるかじゅり」。

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佐々木優子氏

アヲハタ
マーケティング本部
マーケティング室
フローズン事業チーム

2000年入社。研究開発本部で業務用フルーツソースや新規カテゴリー商品等の開発に携わる。2022年からマーケティング本部へ異動し商品企画等を担当。

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桐山真氏

アヲハタ
営業本部 フローズン営業部
次長

2008年アヲハタに入社。製造、産業用・家庭用営業を経て、2023年より冷凍果実の可能性を広げるべく立ち上げたフローズン営業部で市場開拓に挑む。

フルーツで世界の人を幸せにビジョンを具現化する商品

──2024年に発売した冷凍フルーツ「まるかじゅり」がSNSで人気だと聞きました。佐々木

:「まるかじゅり」は、パウチの中に入った果肉をほぐしながら食べる新感覚の冷凍フルーツです。2024年8月に発売し、そろそろ1年になります。

桐山

:“もんで食べる”という楽しみ方を提案しているのが特徴で、特許技術により、凍っていてもほぐしやすく、ワンハンドで持てるパッケージもこだわっている点ですね。現在は、「グレープフルーツ&オレンジ」「マンゴー&ベリー」「ピーチ&グレープフルーツ&グァバ」の3種類のフレーバーを展開しています。主な販売チャネルは、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ECモールなどです。

──アヲハタといえば、ジャム製品のイメージが強い印象です。冷凍食品事業にも注力する理由を教えてください。桐山

:アヲハタは1932年創業、みかん缶詰を製造する会社からスタートしています。その当時からフルーツを使って、フルーツ自体の持っているおいしさの可能性を広げることを1つのミッションに置いてきた会社です。そういった歴史的背景もあって、今もアヲハタでは「フルーツで世界の人を幸せにする」というビジョンを掲げています。これまではジャム・スプレッド製品を通じてビジョンを具現化するために進めてきましたが、当社としては、その方法はジャムだけにとどまらないと考えています。ジャムはそのビジョンを体現するひとつの方法ではありますが、フルーツの可能性はもっと広がると考えています。

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