MCを務めるのは社長 ビジョンが映像社内報に取り組む理由

文字では伝えきれない“人の魅力”を社内に届ける動画の活用が注目されている。多様な人材が集まる企業において、互いを知ることは組織力を高める第一歩。社長自らがMCを務めるビジョンの映像社内報を紹介する。
※本記事では7月1日発売、『広報会議』2025年8月号の特集企画「社内コミュニケーション 従業員の主体性を引き出し組織の力を高める」に掲載している記事をお届けします。

グローバルWi-Fi事業、情報通信サービス事業、グランピング・ツーリズム事業を展開するビジョンは、2024年3月から映像社内報「V-Studio」を毎週水曜日に配信している。

ビジョングループの従業員が主役の対談形式のトーク番組となっており、MCを務めるのは代表取締役社長の大田健司氏。「V-Studio」は、経団連事業サービスが主催する2024年度「経団連推薦社内報審査」の映像社内報部門において「奨励賞」を受賞した。「社長が登場する応募作品はほかにもあるが、その中でも型破り」との総評があったという。

写真 映像社内報「V-Studio」

映像社内報「V-Studio」。写真右はMCを務める代表取締役社長の大田健司氏。

「V-Studio」を配信する目的

「V-Studio」ではゲストとして従業員を招き、MCの大田氏が「入社の理由」「仕事に対する姿勢」「会社の魅力だと思う点」などを深掘りしていく。

「V-Studio」で従業員を主役としたコンテンツを配信する目的は2つ。

ひとつは、従業員に自社の業務内容や働く人について、より深く知ってもらうことだ。同社は現在約1000人が所属しており、部署の数も多岐にわたる。「他部署が何をしているか分からない」「どのような人が在籍しているのか知らない」といった声も聞こえていた。

「他部署の業務を知ることは新しいシナジーや事業アイデアが生まれるきっかけにもつながります。また、当社ではジョブローテーション制度を採用しているのですが、これは従業員がライフスタイルの変化や人との相性、マンネリ化などにより現在の業務を続けるのが困難になった際、“離職”ではなく“異動”を選択できるようにと導入しています。しかし、『異動先の部署について分からない』という点から、手が挙がりにくい状況でした。『V-Studio』を通して他部署について知ることで、従業員の選択の幅が広がってほしいと考えました」と大田氏。

また、同僚について知ることはエンゲージメントの向上にもつながると大田氏は考えを話す。

「当社にはさまざまな経歴を持つユニークな従業員がたくさん在籍しています。“人”にスポットをあてることで、映像を見た従業員が、自社の多様性を実感し、企業をより好きになってくれることを期待していました」(大田氏)。

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ